配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
本年度は,「作問学習を対象とした知的CAIのオーサリング環境」に関する研究の一環として以下4点の成果をあげた.それぞれについて概要を示す. (1)算数の文章題を対象とした作問学習の診断知識のオーサリング環境 これまでの作問学習に関する研究を踏まえた上で,学習者が作った算数の文章題を診断するための診断知識を,実際の教育現場に携わる教師から獲得することを主目的とした診断知識オーサリング環境の設計を行った.この設計から得られる診断知識は,既存の作問学習支援システムの知識として機能するだけでなく,算数の文章題の解釈を要するシステムにおいても利用することができる汎用性の高い知識となると考えている.これに関しては,今後,実装ならびに国内論文誌にての報告を予定している. (2)小学校の授業の一環としての作問学習支援システム利用とその評価 設計・開発のみならず,実際の小学校での利用と運用への試み,また,システム効果の解明も行った.近隣の小学校4,5年生,各2クラスずつ計4クラスの算数の授業においてシステム利用を行い,効果としては,文章題に対する理解の仕方にシステムが影響していることを確認した.これに関しては,現在,国内論文誌にて報告を行っている. (3)問題比較学習のための支援環境 作問学習の次課題として問題同士を比較する学習があり,作問により意識化された知識を,メタ認知的な観点から扱うことで,より深い理解が行われると考えられている.そこで本年度は,文章題同士を比較し,比較個所を学習者がマークできる学習環境と,そのマークを評価する診断機能の作成を行った.今後,研究会で報告する予定である. (4)解決・作問・比較の統合学習のための支援環境 問題を作るだけでなく,解決したり,比較したりといった,様々な活動を学習者の理解状況に応じて取捨選択することのできる学習環境の構築を目指して取り組んでいる.本年は,解決,作問,比較の3種類の学習の進行状況を共通する学習者モデルで記述できるよう概念の整理を行った.今後は,実際に3つの学習の制御を実現し,小学校等での利用を可能にしたいと考えている.
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