研究課題/領域番号 |
01J04915
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伏見 岳志 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | カリブ海交易 / スペイン領ユカタン半島 / 貿易 / 密貿易 / ユカタン / カリブ海 / 大西洋 / スペイン / オランダ |
研究概要 |
本年度は、17世紀のカリブ海において、新たな商業勢力として登場するイギリス、オランダ、フランスの貿易のあり方について検討を加え、これら新勢力がスペイン領カリブ世界で展開したいわゆる密貿易の構造を明らかにすることを試みた。利用した史料は、前年度までに収集したスペイン語圏、オランダの行政、公正文書に加え、今年度新たにロンドンで閲覧・複写をおこなった英国の商業関係文書である。これらの史料を分析した結果、1650年代からカリブ海では密貿易活動が活発化し、その活動ネットワークは、カリブ海、ブラジル、ブエノスアイレスなどアメリカ大陸大西洋岸に広く広がり、さらにカナリア諸島とイベリア半島、そして北ヨーロッパへといたることがまず明らかになった。そして、このネットワークの中で、ユカタン半島は、主としてベラクルスとその後背地であるメキシコの各都市への密輸商品の再分配地点としての役割を果たしており、その商品の大部分は、ユカタン半島に到着する以前に、すでに合法商品であるかのような細工が施されていることがわかった。こうした仕組みを可能にしたのはユカタン半島とベラクルスとの両地点の税関担当者が、現地商人の圧力を前にして、こうした商品の通関を認めていることである。つまり、密貿易の展開は、スペイン領の行政官と現地住民との人間関係に大きく依存していることが大きい。以上のような検討を通じて、カリブ海交易ネットワークの変化に伴って、ユカタン半島がひとつの密輸中継地点へと変貌を遂げていく様子を明らかにすることができた。
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