研究課題/領域番号 |
01J05002
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 玲 (井上 玲) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 離散可積分系 / ハミルトニアン構造 / ラックス行列 / ヤコビ多様体 / Lax行列 / ソリトン方程式 |
研究概要 |
本年度は、有限次元力学系の可積分性に関する研究を以下のように進めた。 スペクトルパラメーターの多項式で書かれるLax行列の特性方程式は代数曲線を与え、Lax行列の等位集合をこの代数曲線のJacobi多様体の開部分集合に移す写像を作ることができる。この写像が同型写像になるとき、Lax行列は上記の開部分集合の行列実現を与えることになる。一方、このLax行列の時間発展がある条件を満たすとき、その時間発展はJacobi多様体上で線型化される。Lax行列が記述する力学系の可積分性はこの条件に密接な関係がある。私は、上記の写像が同型になり、かつ時間発展が線型化されるようなN×NのLax行列の族を構成した。この族は、N(N-1)種類のタイプの行列で構成されている。また、変数分離法を応用してこれらのLax行列からJacobi多様体への写像を具体的に構成した。さらにこれらの結果を非線型力学系のモデル「周期的境界条件を持つ拡張されたLotka-Volterra格子」の解析に応用し、前述の族がこのモデルのLax行列を周期によって分類する事実に基づいてこのモデルの代数的完全可積分性を示した。こうして、独立な時間発展を生成する保存量の数が対応する代数多様体の種数に等しく、Lax行列に同型な代数多様体上の正則関数がこの系の解を記述することが明らかになった。 以上の成果を、平成15年7月にポルトガルのリスボン大学で開かれた数理物理学の国際会議とそれに伴って同国のアルガルヴェ大学で開催された研究会で発表した。
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