研究課題/領域番号 |
01J05347
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大出 真知子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 凝固ミクロ組織 / シミュレーション / フェーズフィールド法 / 温度場連成計算 / 多元系凝固 |
研究概要 |
フェーズフィールド法は凝固・結晶成長の界面運動を予測する定量的手法として基礎理論が完成している。本研究では、昨年度までに基礎理論の拡張・定量性の確認などの基礎研究を終え、本年度は適用範囲の拡張を目的とし、温度場連成計算、熱力学データベースの利用の可能性を検討した。 合金凝固過程の解析では、熱と溶質の拡散速度の違いから潜熱発生による熱分布は無視する場合が多い。また、温度場連成計算は計算タイムステップ値が数百分の1以下に制約されるため現実には行われていない。しかし、初期凝固過程等の初期過冷が比較的大きな場合、温度場を考慮した解析が必要となる。ここで、増大する計算時間を短縮する方法として、異なる大きさの計算要素や並列計算などの手法の適用を行った。これにより、温度場連成計算が約一週間と現実的な計算時間内で実行可能となった。これを用いた解析では、従来の定説とは異なり、抜熱が成長先端の側方へ流れることより、固相成長端は常に過冷液体中を成長することが明らかになった。一方、初期過冷は凝固開始直後の固相成長速度に影響を及ぼすものの、直ちに発生潜熱に緩和され、固相成長は表面からの抜熱速度に依存することを明らかにした。 また、フェーズフィールド法にThermocalc等の熱力学データベースの導入するためには、平行接線条件を満たす界面濃度の計算時間が制約となる。そこで、凝固界面の成長は原子の再配列に影響を受けない範囲として平行接線条件を共通接線条件に限定し、界面濃度をあらかじめデータベース化した平衡状態図濃度から引用することで、計算時間の短縮を行った。それにより、計算時間を大幅に減少させ、手法のステンレス合金等の実用材料への適用を可能とし、界面濃度がタイラインから逸脱等を予測すること等を可能にした。
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