研究課題/領域番号 |
01J06326
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丸谷 和史 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 運動視 / 時空間表象 / 2次運動 / 知覚的ずれ / 高次運動刺激 / 運動定義運動 / 時空間 |
研究概要 |
本年度は主に昨年度に発表した新しい錯視現象である「知覚的ずれ」についてさらに詳細な検討を行った。結果、ある特定の条件下でこの知覚的ずれが減少・反転するという新しい現象を発見した。 知覚的ずれは物理的には同位相・同速度の2種の異なる属性で定義されたパターンの運動刺激間に生じる主観的な空間位相ずれの事である。本年度はこの2種の属性に輝度と運動を用いた。すなわち、輝度で定義されたパターンの運動刺激においては縞パターンが日常見られるような輝度で定義されており、運動で定義されたパターンの運動刺激においてはこの輝度が、パターンの運動方向とは直交する方向に局所的に存在する運動成分の大きさに置き換えられた縞パターンが使用された。ここで、運動で定義されたパターンの運動刺激におけるパターン運動のフレーム間にランダムノイズを挿入することで、この運動刺激に対して80ms程度のISIを導入すると知覚的ずれが著しく減少し、被験者によってはこのずれの方向が反転することが示された。これは、知覚的ずれの起源が2種属性のパターン刺激に対する潜時差では無いことを示す結果である。これから、知覚的ずれがより高次の知覚・認知プロセスにその起源を持つことが示唆された。また、 また、同時にパターンの空間周波数を操作して実験を行った。結果、本来はパターンの位相角単位で表記された時には不変であった知覚的ずれの大きさが、運動で定義されたパターンの運動に対して80ms程度のISIを導入するとその不変性が崩壊して空間周波数の増大とともに増大した。 これらの2実験の結果、運動に対する位置表象には2種の物が存在し、刺激の条件によってこれらがその拮抗関係を変化させて運動に対する位置の取得に寄与を行っている事が示唆された。
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