配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
本年度の研究実績は,不確実性に関わる家計行動の実証分析と,社会保障制度を含んだ財政制度のマクロ的な評価の2点に関わるものである.不確実性に関わる家計行動の実証分析については2点行った.ひとつは,家計の金融資産蓄積のマイクロデータを用いた,雇用不安と予備的貯蓄の大きさに関する実証研究である.本研究は昨年度の日本経済学会で発表されたが、修正を加えて査読付き英文誌に投稿中である。不確実性に関わる家計行動の実証分析のいまひとつは,医療保険制度に関係する.患者の通院行動がどのようなものであるかを実証的に調べておくことは、制度設計上重要である。通院開始・病院選択について分析を行い、サンフランシスコで開かれた国際医療経済学会および、明治大学で開かれた日本経済学会で発表した。 社会保障制度を含んだ財政制度のマクロ的な評価については,課税による限界的な経済厚生の損失の計測を引き続き行った.限界的な税収の増加がもたらす限界的な厚生損失は,政府支出のプロジェクト評価に有用であるので,対象を労働所得税に絞ったうえで日本についての測定を行った.その結果,限界的な税収1単位の増加は近年において1.1単位ほどの限界的な損失を発生させているとの結果を得た.この結果は共著論文としてまとめられ,『経済分析』に掲載予定となっている.マクロ的な評価のいまひとつは,非確率的多期間世代重複モデルを用いた数値シミュレーションである.既存研究に社会資本の効果を含めることで,財政赤字の規模と世代の厚生についての検討を行った.
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