研究課題/領域番号 |
01J06512
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
園田 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | リゾホスファチジン酸 / ホスファチジン酸 / ホスホリパーゼA_1 / トランスジェニックマウス / LPA受容体 / ホスホリパーゼD / ノックアウトマウス |
研究概要 |
これまでPAに作用してLPAを産生する膜結合型PA選択的PLA1(mPA-PLA1α)を哺乳類に見出し、生化学的解析を行ってきた。本酵素は細胞外に存在し、本酵素を発現した細胞では、細胞外からBacterial PLDを添加し、形質膜上のPAを強制的に増大させた場合に、LPAの産生が顕著に増大した。一方、細菌は外毒素と総称される様々な毒素を細胞外に分泌するが、この外毒素の一つにホスホリパーゼD(PLD)がある。PLDは生物界に広く存在し、ホスファチジルコリン(PC)の極性頭部を加水分解し、ホスファチジン酸(PA)を産生する酵素である。細菌の分泌するPLDは、宿主の膜リン脂質に作用し毒性を発揮すると考えられている。しかし、これら哺乳類PLD、バクテリアPLDの作用が最終的にどのような脂質、或いは標的分子を介して惹起されるかについて不明な点は多かった。この結果から、外毒素PLDの作用機構に関して、LPA受容体を介して作用が発揮されるというモデルを想定し、細胞レベル・個体レベルでこのモデルの検証を行った。その結果、Bacterial PLDが細胞・個体レベルで細胞増殖性の亢進などの作用を示し、その作用の一部がLPAを介して引き起こされることを示した。このLPAは、細胞レベルでは、OVCAR-5のLPA1を介する細胞増殖の促進を引き起こし、個体レベルでは、皮膚の脂肪細胞層のLPA2を介して肥厚(細胞増殖の促進)を惹起した。また、表皮の肥厚については、mPA-PLA1αのTgマウスで亢進されたことから、mPA-PLA1αが、このLPA産生に関与し、LPAを介して表皮の肥厚が引き起こされると考えられた。また、体表皮筋層の肥厚については、LPA1,LPA2,LPA3全てのKOマウスに関して認められたことから、LPAが関与しない経路を介して引き起こされる、或いはLPA受容体のredundancyが関与することが考えられた。
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