研究課題/領域番号 |
01J06566
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
小池 正史 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | レプトンフレーバーの破れ / 原子核内でのμ-e転換 / 素粒子模型 / 原子内でのμ-e転換 |
研究概要 |
本年は、レプトンの相互作用を明らかにすることを目指して、μ-e転換を引き起こす模型を分析した。μ-e転換には、μ粒子と原子核の間の有効相互作用として、電磁相互作用のほかに4点フェルミ相互作用も寄与するのが特徴である。そこで、私は超対称シーソー模型における原子核とμ粒子の間でのヒッグス粒子の交換を考察した。この過程は低エネルギー極限で4点フェルミ有効相互作用となる。通常4点フェルミ有効相互作用の寄与は電磁相互作用よりO(α)抑制される。しかしヒッグス粒子と原子核の相互作用の大きさは電子質量ではなく核子質量で特徴づけられることが知られているため、寄与が大きくなることが期待できることを指摘した。 私は、電磁相互作用と4点フェルミ相互作用のμ-e転換の分岐比に対する寄与を計算した。そして、4点フェルミ相互作用の寄与が重要となる条件は 1)tanβ(2種のヒッグス粒子の真空期待値の比)が60程度あるいはそれより大きく、 2)CP偶の重い中性ヒッグス粒子(H^O)の質量が超対称性の破れのスケールよりずっと小さいこと であることを示した。 電磁相互作用の寄与はμ→eγ崩壊の分岐比よりわかるので、μ-e転換とμ→eγ崩壊の分岐比の比をとることにより、4点フェルミ相互作角の寄与を実験的に計測できる。電磁相互作用のみ寄与する場合、分岐比の比は0.0026であることが知られている。実験値がこの値からどれだけずれるかを計測することで、現実の素粒子模型の手がかりが得られることを明らかにした。 さらに、実際に実験的に許されている範囲でパラメータを様々な値に動かして、両相互作用の寄与を数値的に計算して提示することで、これらを確かめた。 そのほか、以下の事実を示し、数値的な計算を行って確かめた。 ・重い核種と軽い核種に対するμ-e転換率を比較することで、μ-e転換に寄与する有効相互作用の種類に関する情報が得られる。 ・μ-3e崩壊の分岐比とμ→eγ崩壊の分岐比の比は、H^Oの質量にほとんどよらず0.006である。
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