研究課題/領域番号 |
01J08409
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 しのぶ 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 血液脳関門 / 輸送担体 / 細胞膜輸送 / 有機アニオン / 薬物輸送 / 神経伝達物質代謝物 |
研究概要 |
血液脳関門(BBB)を介したバルプロ酸の排出輸送機構を解明する上で、バルプロ酸と同様に脳移行性の低い薬物のBBBにおける排出輸送過程を解析することは重要である。そこで本研究は、脳移行性が低く、バルプロ酸と同様にBBBのprobenecid感受性の輸送担体によって脳内から排出輸送される抗白血病治療薬のチオプリン誘導体に着目し、チオプリン誘導体のBBBを介した脳からの排出輸送に関わる輸送担体を同定することを目的とした。 In vivo brain efflux index (BEI)法を用いた解析から、チオプリン誘導体の種である[^<14>C]6-MP及び[^3H]6-TGは共に脳から排出されることが明らかになり、排出半減期はそれぞれ43.9分、23.4分と算出された。さらに、6-MPのBBBを介した排出輸送は、バルプロ酸及びrat organic anion transporter 3 (rOAT3)の特異的阻害剤であるbenzylpenicillinによって有意に阻害された。従って、チオプリン誘導体のBBBを介した排出輸送過程に、一部rOAT3が関与していることが明らかになった。rOAT3発現系を用いた6-MPの輸送特性解析から、6-MPはrOAT3の基質となり、その親和性を示すK_m値は50.5μMであることが示された。さらに、バルプロ酸1mM共存下におけるrOAT3を介した6-MPの取り込みは、78%顕著に阻害された。従って、BBBのrOAT3はチオプリン誘導体やバルプロ酸をはじめとする薬物を脳内から排出輸送し、薬物の脳移行性を決定する一要因になっている可能性が示唆された。そこで、BBBのrOAT3の生理的機能をより詳細に解明するため、rOAT3機能低下動物の作製を目的として、rOAT3機能を選択的に低下させるRNAi配列の決定を行った。HEK細胞を用いたin vitro機能解析から、rOAT3機能を選択的に80%以上有意に抑制させる2種類のRNAi配列を同定することができた。このrOAT3に対するRNAi配列の決定により、BBBにおけるバルプロ酸の排出輸送に関わるrOAT3の寄与が明らかになると考えられる。
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