研究課題/領域番号 |
01J08569
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
遠藤 孝治 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | エジプト / 新王国時代 / 神殿型平地墓 / 日乾煉瓦像建築 / 岩窟工法 / メンフィス / アマルナ / 日乾煉瓦造建 |
研究概要 |
古代エジプト・新王国時代における神殿型平地墓の地上構造に関する研究については、昨年までに収集した類例遺構の平面図を比較資料として用いながら、メンフィスの墓地範囲にあるダハシュール北地区で発見された日乾煉瓦造のイパイの墓の平面寸法分析をおこなった。考察の結果、建物の主要部分が、古代エジプトの長さの単位である1キュービット(約52.5cm)の整数倍で計画された可能性が指摘され、基礎の日乾煉瓦を配置する際に2つある中庭部分では中庭の内法幅を、アプローチ部分では斜路幅の外法幅を基準として用いたことが推定された。また、平面の決定に当たっては砂の上に煉瓦を置き並べつつ試行錯誤がなされたことを明らかにし、遺構の建造過程を復原した。 岩窟工法による地下構造の掘削工程に関しては、今年度も引き続き古代の労働文書の解読をおこなうとともに、神殿型平地墓と同時代の多数の未完成岩窟墓が残存する中部エジプトのアマルナや、労働者による作業工程を示す文字や赤線が現場に直接残っている石切り場での調査をおこなった。アマルナの岩窟墓内で発見された掘削作業の進捗を表す赤線や、石切り場に残された文字は、これまで発表されたことがなく、資料的価値が極めて高い。これらの資料を基にして、石灰岩盤を当時の工人が1日当たり0.5から1デニィ(0.07〜0.14m^3)の掘削が可能であったことを論証した。この値を基にすることにより、イパイの墓の地下構造の造営に牟いて、具体的に何日間を要したかの推定を当時の史料による現実味のある値として算出することができるようになった点は重要である。これに関しては現在論考を準備中である。 以上の成果について、本年度は日本建築学会大会、日本オリエント学会、ギリシアで開催された第7会ASMOSIA古代石材国際会議などにおいて、適宜公表をおこなった。
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