研究課題/領域番号 |
01J09249
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
茶谷 直人 神戸大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | アリストテレス / アナロギア / デュナミス / インフォームド・コンセント / 可能態-現実態論 |
研究概要 |
本年度は前年度に引き続き、アナロギア(アナロジー・類比)概念をキーワードに、アリストテレス哲学における解釈上の諸問題の解決、古代・中世哲学史の連続的把握、応用倫理学上の諸問題への新たな視点の提供を目指す、といった長期的展望のもとに研究を進めた。それにより、主に次の研究成果を生み出した。 1.前年度からの継続課題として、アリストテレス『形而上学』Θ巻における二つのデュナミス(能力と可能態)の内実と関係、およびΘ6におけるアナロギアの意義を探った。両デュナミスの差異は排他的でなくパースペクティブ上のものであるがΘ3で両者の連続性が見出されること、Θ巻前半で提示される<能力:運動>というデュナミス:エネルゲイア図式は、Θ6でアナロギア(<現実態:可能態>関係の類比的説明)を展開する上で方法論的意義を有すること、などを示した。なお本研究については、日本哲学会編『哲学』へ論文を投稿の結果、審査を通過し掲載が決定した(論文題目:「アリストテレス『形而上学』Θ巻におけるアナロギアと二つのデュナミヌ」、本年3月公刊)。 2.類比概念を、論証的知識から一歩距離を置きつつも単なる話術や修辞にも留まらない独特な知の様式として捉え評価し応用倫理学上の諸問題にアプローチする、という作業の一環として、インフォームド・コンセント(IC)に関し独自の観点からの考察を行った。そこではICについて、「医師の開示内容についての患者の有効な理解を如何に導得るか」という観点から検討し、それを実現する説明様式の一つとして、「アナロジーによる説明」を提示した。これは、高度に専門化された事象について患者の理解を促す策との一つとして有効である。本研究は、昨年11月に日本生命倫理学会大会において発表された(題目:「インフォームド・コンセントにおける<情報開示>と<理解>の関わりをめぐって--アナロジーの可能性」)。
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