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神経作用性殺虫剤の昆虫・哺乳類間における選択毒性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 01J09533
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 植物保護
研究機関筑波大学

研究代表者

池田 朋子  筑波大学, 農林学系, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードグルタミン酸レセプター / 殺虫剤 / GABA_Aレセプター / フィプロニル / イオンチャネル / ワモンゴキブリ
研究概要

殺虫剤フィプロニルは90年代初めに開発されたフェニルピラゾール系の薬剤である。作用点はこれまで神経系のシナプス接合部に存在するGABA_Aレセプターであるといわれてきたが、昆虫の神経系に存在する陰イオン透過型グルタミン酸レセプターの薬理学的特性がGABA_Aレセプターと類似していることから、フィプロニルの新たな作用点となっている可能性が指摘されている。これらの研究背景をもとに、本研究では陰イオン透過型グルタミン酸レセプターに対するフィプロニルの作用を検討した。
用いた神経細胞はワモンゴキブリ成虫の胸部神経節から単離した細胞で、電流の測定には電気生理学的手法のパッチクランプ法を用いた。フィプロニル処理により電流は抑制され、IC_<50>値は0.73μMだった。また、GABA_Aレセプターにおいてフィプロニルと類似の作用を示す化合物である、有機塩素系殺虫剤ディルドリンおよびピクロトキシニンの作用を検討した。100μMのディルドリンおよびピクロトキシニンを処理した結果、電流はそれぞれコントロールの96.7%および87.8%となった。従って、両化合物はグルタミン酸レセプターに対し強い作用がないことが示され、フィプロニルとは異なる作用を示すことが判明した。
AP5およびCNQXは陽イオン透過型グルタミン酸レセプターのアンタゴニストである。ワモンゴキブリの陰イオン透過型グルタミン酸レセプターに対するAP5およびCNQXの作用を検討した。100μMのAP5およびCNQXを処理したところ、共にグルタミン酸誘導性電流に対して影響を示さなかった。この結果から昆虫と哺乳類のグルタミン酸レセプターの薬理学的特性は大きく異なることが明らかとなった。
フィプロニルは無脊椎動物に特有な抑制型グルタミン酸受容体の機能を阻害したことから、昆虫特有の機能を阻害することにより昆虫に特異的に作用する殺虫剤である。このことは哺乳類に対する低毒性機構の一つといえる。また、ディルドリンは抑制型グルタミン酸受容体に作用しなかった。フィプロニルはディルドリン等既存の殺虫剤と異なる作用点を持つことから、既存殺虫剤抵抗性昆虫にも効果を示す殺虫剤であることの一つの説明となった。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Zhao, Z., T.Ikeda, J.Z.Yeh, T.Narahashi: "Voltage-dependent block of sodium channels in mammalian neurons by the oxadiazine insecticide indoxacarb and its metabolite DCJW"Neurotoxicology. 24(1). 83-96 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Ikeda, I.: "Electrophysiological Study of the mechanism of action of insecticides activity on ion channels"Journal of Pesticide Science. 27. 310-319 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2024-03-26  

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