研究課題/領域番号 |
01J09974
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹岡 孝司 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 水ガラス系溶液型グラウト / 粘性の経時変化 / 固結体の力学的特性 / 浸透・固化挙動 / 力学的改良効果 / フライアッシュの有効利用 |
研究概要 |
まず、グラウト材として水ガラス系溶液型グラウト材に着目し、グラウト材の時間経過に伴う粘性変化ならびに固結砂の力学的特性を把握するため、定水位透過試験および一軸圧縮試験を行った。 次に、地山中に注入された水ガラス系溶液型グラウト材の浸透および固化過程を解明するために、多孔質媒体を通る時間依存性非ニュートン流体の挙動を表す流れ方程式と、浸透過程におけるグラウト材の移流および機械的分散・分子拡散さらに土中粒子への吸着効果を表すパラメータである遅延係数を導入した質量輸送方程式からなるモデルを用いて有限要素解析を行った。その結果、グラウト材注入開始からの経過時間がグラウト材のゲル化時間に近づくにつれ、グラウト材の浸透フロントから粘性係数および流体圧とも漸次増大し固結に至るグラウト材の浸透挙動のメカニズムが明らかになった。さらに、グラウト材の浸透・固化挙動に及ぼす地山特性、地下水流およびゲル化時間等の各種諸条件の影響についても明らかにした。 次に、効果的で経済的なグラウト材の注入範囲を決定する際の指針を得るため、非線形有限要素解析コードを用いてグラウト材の注入範囲による周辺地山の力学的改良効果について検討した。なお、本解析では掘削に伴う応力解放に基づく地山応力の変化で生じる地山の弾性または塑性的な変位も考慮するため、砂および固結砂の拘束圧とヤング率の関係を導入した。その結果、掘削空洞周辺へグラウト材を注入することにより、空洞断面収縮および地表面沈下に対し大きな抑制効果が得られることを示した。一方で、掘削により応力が解放され拘束圧が小さくなっている領域では、グラウト材で固結させることにより地山のヤング率が増大し変形抑制効果が得られるものの、さらに空洞から離れた拘束圧の大きい領域まで注入・固結すると変形抑制効果がそれ以上得られないかむしろ逆に低下することが明らかになった。 さらに、近年安価および資源の有効利用という観点からフライアッシュの有効利用が試みられていることから、フライアッシュセメントの注入材としての適用可否について、室内試験(基礎物性試験・模型実験)および数値解析により種々検討し、その有用性を示した。
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