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アリ-アブラムシ共生関係における進化過程

研究課題

研究課題/領域番号 01J10577
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生態
研究機関北海道大学

研究代表者

八尾 泉  北海道大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードアブラムシ / 混合コロニー / 寄主植物個体変異 / マイクロサテライト / 二次シュート / カシワ / カシワホシブチアブラムシ / アリ / 共生関係 / 甘露 / アミノ酸 / 季節変化 / 師管液
研究概要

アブラムシの混合コロニーに及ぼす季節推移と寄主植物個体変異の影響
季節進行に伴う寄主植物の栄養レベルの悪化は、植食性昆虫の成長や繁殖などの生活史形質に重大な影響を与えている。本研究の材料であるカシワホシブチアブラムシは寄主転換しないアブラムシなので盛夏の寄主植物劣化の影響を免れない。そのため1本の木の中でモザイク状にしか残っていない好適な葉に様々な遺伝子型のアブラムシが集まっていると考えられる。このような混合コロニー内の遺伝子型を識別するためには解像度の高い分子マーカーの開発が必要である。平成15年度は新規で開発に成功した5つのDNAマイクロサテライトマーカーを用いてアブラムシ混合コロニー内の遺伝的多様性を季節推移と寄主植物個体変異の観点から調べた。
2002年に季節ごと(春・夏・秋)に採集したアブラムシコロニーを使用した。採集は8-10コロニー/本で8本の木で行った。各コロニーから5-8匹を任意に選び、DNA抽出後に5つの蛍光マイクロサテライトプライマーでPCRを行った。遺伝子型判別にはシーケンサーを用いた。
結果:春のアブラムシコロニーは既に複数の遺伝子型から成る混合コロニーになっていた。寄主植物の芽吹き直後に既に樹木内を移動・分散しているか、または複数の遺伝子型の幹母が集まって第一世代を産出していると考えられる。夏になると1つのコロニー内に含まれる遺伝子型はさらに増加した。これは寄主植物劣化のために好適な部位を求めて様々な遺伝子型が集まって形成されたコロニーであると示唆される。秋のコロニーは夏のコロニーに比較して遺伝的多様性が減少していた。盛夏を乗り切り、両性世代まで生き残った遺伝子型は少数であったと考えられる。
コロニー内の遺伝的多様性の推移を寄主植物の個体変異の観点から分析すると、夏に二次シュートを出すカシワ個体と春のシュートだけを通年つけているカシワ個体とでは混合コロニーの動態が異なっていた。すなわち二次シュートを出すカシワに寄生していたアブラムシは盛夏を生き残る機会が増え、そのため二次シュートを出さない個体のコロニーより遺伝的多様性の高い混合コロニーになったと推測される。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yao I, Akimoto S, Hasegawa E: "Isolation of microsatellite markers from the drepanosiphid aphid Tuberculatus quercicola (Homoptera, Aphididae)"Molecular Ecology Notes. Vol.3. 542-543 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 八尾 泉: "アブラムシはアリにボディーガード代を払っている-アリ随伴のコストとその生理的要因-"Rostria. Vol.52(In press). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Izumi Yao: "Flexibility in the composition and concentration of amino acids in honeydew of the drepanosiphid aphid Tuberculatus quercicola"Ecological Entomology. 27. 745-752 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2024-03-26  

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