研究課題/領域番号 |
01J10950
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
知能情報学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯塚 博幸 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 協調行動(合意形成) / turn-take / リカレントニューラルネットワーク / エージェントシミュレーション / 2次学習 |
研究概要 |
協調的でもあり競争的でもある交渉という環境において、そのお互いの目的が協調的でかつ競争的であるシミュレーション環境のモデル化を行い、そのような環境における各エージェントの学習機構の開発とそのエージェントが学習によって獲得した内部構造の解析を行った。さらに、2エージェント間の合意形成の1つとして、ここでは、turn-takeの構造に着目した。Turn-takeの振る舞いは自分の目的を達成しながらも、相手の要求に応えて自分の目的を変化させるという交捗過程には必要な構造を含んでいる。通常、一人の特定の相手に対する適応的な戦略構造等に主眼がおかれるが、ここでは、未知の相手との協調行動の創発、適応可能性について注目した。 シミュレーションの結果、幾何学的な軌跡を描くgeometric turn-taking、軌跡やターンの切り替えが規則的に生じないchaotic turn-taking、ノイズの不安定性を利用するnoise-driven turn-takingの3つのカテゴリーに分けられる協調行動としての運動が得られた。これらの進化して得られたエージェントを、世代を変えて相互作用をさせ、得られている振る舞いの複雑さと2者の協調での運動の関係について調べた。geometric turn-takingを行うエージェントは限定された相手とturn-takingを構築することができる。一方、chaotic turn-takingを行うエージェントは比較するとgeometricなものより多くのものとturn-takingを行うことが可能であることがわかった。つまり、協調行動に対して、振る舞いの多様性が、従来の特定の相手に対する適応行動だけでなく、未知の相手に対する潜在的な適応行動を保持しうることをシミュレーションによって示した。こうしたadaptabilityのシミュレーションの結果は本研究が初めてである。
|