研究課題/領域番号 |
01J11092
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
町田 真美 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員DC2
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 降着円盤 / ブラックホール / 磁気流体力学 / ADAF |
研究概要 |
白鳥座X-1のようなブラックホール候補天体では、光学的に厚い標準降着円盤モデルで説明できるソフトステートと光学的に薄いADAFモデルで説明できるハードステート等の状態が観測されている。ハードステートの特徴の一つとしてX線強度の激しい時間変動がある。このX線強度変動はフラクタル的な分布を示す部分と、X線ショットと呼ばれるピーク部分で構成されていることが知られている。このようなブラックホール候補天体に特徴的なX線の振る舞いを説明する目的で、円盤全体を含み鉛直方向重力も考慮した大局的な3次元散逸的磁気流体(MHD)数値実験を行った。初期条件として、弱い方位角方向磁場に貫かれた回転平衡トーラスを考える。中心ブラックホールの重力として擬ニュートンポテンシャルを採用することで一般相対論的効果を取り入れている。トーラスは半径50r_g(r_gはシュバルツシルト半径)で圧力最大となるような一定の角運動量を持ち、2r_gに吸い込みの境界条件を採用して数値実験を行った。 この結果、円盤内に発達した磁気回転不安定性による角運動量輸送のために、中心天体への質量降着が効率的に生じた。この時質量降着は定常に起きるのではなく、間欠的に生じること、質量降着は渦状に生じることがわかった。中心近傍への質量降着によって、ソフトX線が急激に増光する。ガスと磁場は凍結しているため、渦状の密度分布に沿って双対称渦状磁場(BSS)が卓越し、渦状密度腕内には強い電流シートが形成される。密度の塊が中心ブラックホールに吸収されると、ソフトX線は急激に減光する。電流シート内の密度が下がると磁気リコネクションが発生し、磁気エネルギーを熱として解放するため、X線強度は突然増加し、指数関数的に減光する。この一連の過程で観測されるX線ショットを説明することができる。これらの結果をまとめてApJ誌に発表した(町田、松元2003)。 更に、質量降着率のパワースペクトル密度(PSD)を計算してみると、低振動側ではPSDはf^<1.5>に比例し、観測を再現することがわかった。
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