研究課題/領域番号 |
01J11428
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
発生生物学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
梶 圭介 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 受精 / 膜融合 / CD9 |
研究概要 |
我々はこれまでに膜四回貫通型タンパク質・CD9のホモ変異体マウスを作成し、その雌マウスがきわめて重度の不妊であることを報告した。CD9ホモ変異体マウスの卵は体外受精においてもほとんど受精しないことから卵細胞膜上のCD9は精子との融合に重要な機能を担っていると考えられる。しかし、CD9がどのように精子と卵の細胞膜融合過程に関与しているのかは明らかとなっていない。 我々は未成熟卵にpoly(A)付加したmRNAを微量注入することで外来性のタンパク質を高発現させることに成功し、ヒトCD9やCD9と同じファミリーに属する他の膜四回貫通型タンパク質・マウスCD81がCD9ホモ変異体マウスの卵の受精能を回復し得ることを明らかとした。しかしながら同じファミリーに属するヒトCD53ではCD9の機能を補うことは出来ず、すべてのファミリーのメンバーが細胞膜融合に寄与出来るわけではないことが明らかとなった。今後これらのタンパク質のアミノ酸配列、構造の違いから膜融合に必須の領域が解明されることが期待される。 また、抗CD9抗体を付加した微小なビーズを野生型卵に添加し培養すると卵に接着したビーズが卵細胞に沈んでいくことが走査電子顕微鏡による観察で明らかとなったこの現象は卵に発現している接着分子α6インテグリンに対する抗体では見られなかったことから受精におけるCD9の特異的な機能を反映したものであると考えられる。 さらにCD9は卵細胞表面に存在する微絨毛に局在しているが、マウス繊維芽細胞株L cellにおいてもCD9を発現させると微絨毛と類似した糸状仮足様の構造が伸展し、そこにCD9が強く局在することが明らかとなった。この現象にはCD9の細胞膜貫通領域が重要であることが明らかとなったので今後、この領域が受精において果たす機能を解析することで新たな研究の進展が期待される。
|