研究課題/領域番号 |
01J60033
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋大学 (2003) 東京農工大学 (2001-2002) |
研究代表者 |
内古閑 伸之 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アミノ酸配列情報 / タンパク質立体構造 / 構造分類 / タンパク質立体構造形成原理 / ゲノム / プロテオーム / ダンベル型タンパク質 / 電荷バランス / 両親媒性 |
研究概要 |
タンパク質の立体構造や複合体形成はアミノ酸残基の物理化学的相互作用によるメカニズムによって理解できる。複合体形成のメカニズムを考える基礎固めとして、アミノ酸残基間の静電相互作用に着目し、アミノ酸配列情報から伸びた形をしたタンパク質(伸長型タンパク質)の予測を行ってきた。伸長型タンパク質の立体構造の特徴はN末端側とC末端側のドメインが構造上、離れていることである。立体構造情報から得られた典型的な伸長形タンパク質はカルモジュリン、トロポニンCなどであった。また、典型的な伸長型タンパク質のアミノ酸配列から、この構造の形成メカニズムとして静電相互作用による斥力が支配的であると考えられる。 実際に立体構造データベース(PDB)のアミノ酸配列による予測からカルモジュリン、トロポニンCが得られ、さらにDNA結合タンパク質も得られた。カルモジュリンやトロポニンCのアミノ酸配列は負電荷をもつアミノ酸残基を多く持っており、正電荷を多く持つペプチド分子と結合しやすい。一方でDNA結合タンパク質は正電荷を多く持ち、負に帯電しているDNA分子と結合しやすい。 また、75種の生物ゲノムについてこの原理を適用し予測した。典型的な伸長型タンパク質であるカルモジュリンやトロポニンCはゲノム内にそれほど多くなく、伸長型タンパク質として予測された機能既知遺伝子情報の半分以上はDNA結合タンパク質であった。また、機能未知で伸長型と予測されたタンパク質は正電荷を多く持ちDNA結合タンパク質の性質を有していた。ヒトゲノムにおいては伸長型タンパク質が予測対象の75種の生物の中で最も多く予測され、機能未知でDNA結合タンパク質の性質を有している遺伝子も最も多く発見できた。以上の成果から、一般的なタンパク質の立体構造形成の相互作用をアミノ酸配列情報から考えるための方向性が見いだせた。
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