研究課題/領域番号 |
01J60088
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
川谷 誠 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Bc1-2 / BH domain / apoptosis / anticancer drug / inostamycin / camptothecin / ceramide / dominant negative |
研究概要 |
Bc1-2のアポトーシス制御の詳細な機能を解析する目的で、Bc1-2 familyに共通して存在するドメインに着目し、抗癌物質誘導性アポトーシスにおけるBc1-2ドメイン構造の機能解析を試みた。 1.イノスタマイシン誘導性アポトーシスにおけるBc1-2ドメイン構造の機能解析 PI代謝回転阻害剤イノスタマイシンが誘導するアポトーシス経路において、Bc1-2がceramide合成も抑制することを見出した。そこで、この抑制にBc1-2のどのドメインが関与しているかを、様々なドメイン欠損変異体を作製し検討した。その結果、Bc1-2のBH3とBH4ドメインは、ceramide合成抑制とcytochrome c放出阻害のいずれにも必要であることがわかった。一方、transmembraneドメイン欠損変異体は、cytochrome cの放出は阻害したが、ceramide合成は抑制できなかった。このことから、Bc1-2がイノスタマイシンによるceramide合成を抑制するには膜への局在が重要であることが示唆された。 2.BH1ドメイン欠損変異Bc1-2のアポトーシス促進機構の解析 種々の抗癌物質が誘導するアポトーシスにおける変異Bc1-2の作用を検討した結果、BH1ドメイン欠損変異Bc1-2はカンプトテシンによるアポトーシス誘導を促進することを見出した。この効果は、BaxやBakと結合できないBH1ドメイン内の点変異体でも同様に観察された。これらの変異体は野生型Bc1-2との結合能は保持していたが、変異体を発現させると野生型Bc1-2とBaxの結合を阻害し、かつ野生型Bc1-2のBax誘導性アポトーシス阻害活性を消失させた。これらのことから、BH1ドメイン欠損変異Bc1-2はBc1-2のドミナントネガティブ体として機能していることがわかった。以上の結果より、BH1ドメイン欠損変異Bc1-2は内在性Bc1-2の抗アポトーシス活性を阻害することで、カンプトテシンなどが誘導するアポトーシスを促進することを見出した。
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