研究課題/領域番号 |
02041043
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
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研究分担者 |
井上 治郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (90027300)
川西 博 大分大学, 教育学部, 教授 (60040698)
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助手 (60190253)
開発 一郎 広島大学, 総合科学部, 講師 (60160959)
甲斐 憲次 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50214242)
古藤田 一雄 筑築大学, 地球科学系, 教授 (40015540)
小林 哲夫 九州大学, 農学部, 助教授 (20032576)
下島 栄一 京都大学, 防災研究所, 助手 (80027276)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 砂漠 / 水収支 / 熱収支 / 蒸発量 / 地下水 |
研究概要 |
1.表流水・地下水の調査・観測体系の設定 黒河流域にある既設4つの水位・流量観測所を調査し、観測方法、観測期間、観測精度について評価。ただ11月から4月までの凍結期間での観測精度の低下への対応をどうするか、水収支解析上、支川山丹河に流量観測所を新規に設置することなどが明かとなった。 29ケ所の既設井戸を調査。地下水位、水量、PH、電気伝導を測定し、それらの等高線等値線を作成。これら調査結果と井戸の利用度合を考慮して連続観測を実施する観測井の候補地点を3ケ所設定した。さらに平成3年3月、これらの観測井の自記水位計(小笠原計器製作所製)を設置し、キャリブレ-ションを行った後、観測を開始した。さらに、既設の気象観測所の分布状況を調査し、日本側が連続観測する雨雪量計3ケ所の設置場所を選定した。 2.砂漠地における地下水観測井の試掘と自記水位計の設置 砂漠気象観測点の近傍に地下水観測井を試掘するため、まずオ-ガ-によって数ケ所穿孔し、地下水深の状況を把握。地下水深が4m近くであることを確認。ブルド-ザ-曳行のもとトラック2台でボ-リング機械を運搬し、地下水位の年変動を考慮して、約15mまで試掘、井戸の径は外径150mm、内径108mmであり、地下水面から15mまではストレ-ナ-で覆った。地質柱状図を作成するとともに、土の物理特性を把握するためにコアサンプリングを深さ方向に10ケ所とった。さらに平成3年3月にこの観測井に細井戸用水位計(小笠原器製作所製)を設置し、キャリブレ-ションを行った後、観測を開始した。 3.砂漠における砂および土中の水分移動の調査・観測値点の選定 砂漠観測点の砂丘上と丘間地に選定し、オ-ガ-によって穿孔し、中性子水分計(RI挿入型、フィ-ルドティック社製)用のパイプ(4m×2組)を挿入した。両点とも挿入深は約3.7mで、地上に約0.3m突き出ている。砂丘上の観測点における砂丘の厚さは約1,2mで、その下に厚さ約1,3mの赤土層があり、さらにその下は砂丘砂より粒径のやや細かい砂層であった。丘間地の測点においては細砂層を約2,4m堀り進んだところで地下水面に致達した。したがって10月19日当日の地下水深は約3,7mであった。パイプの下端は閉じており、パイプ中に水を入れない非水浸方式がとられているが、埋設時にはパイプ底は地下水面に一致していたことになる。オ-ガ-による穿孔とパイプの間の空隙は掘り出した土で成層状態を乱さないように埋め戻した。これらパイプ中に中性子水分計を挿入して、実際に水分移動の鉛直プロファィルを測定することを平成3年度に計画している。 4.砂漠砂層中の水分フラックスの測定 地下水面の浅い砂丘地を選定し、砂層中を液相で輸送される水分フラックスを測定。将来、塩分含有量の測定と併せて、水分・塩分の垂直輸送過程を明らかにする。まず予備調査として、砂丘間の平坦地と用水池の近傍2ケ所で穴を掘り、地下水位と水温を測定。さらに用水池近傍の地下水面の深さ48cmの砂層中、深さ24cmのところに熱伝導率測定用プル-ブと水分微流量計センサ-を埋設し観測を行った結果、砂層の熱的特性として、熱伝導率K=2.0×10^<-3>cal/cm・sec・゚C、熱拡散率κ=6.2×10^<-3>cm^2/sec、熱容量cρ=k/κ=0.32cal/cm^3・゚cを得た。水分微流量計は明らかに下向きの(浸透)フラックスを示していたが、今回はその値を確定するには至らなかった。今後の問題点として水分微流量計のCalibration Curveを確定することが必要である。 5.地下水の水質分析 22ケ所の地下水採水地点で電気伝導度を測定し、EC(25℃)に換算。EC(25℃)の値が2000μs/cmを越える地点が6ケ所あった。 地下水のPHはほとんど中性か弱アルカリ性であった。一方河川水のPHは6,5〜7,0の範囲にあり、中性あるいは弱酸性を示した。さらに河川水1ケ所、地下水4ケ所について同位体による水質調査を行い、現在分析中である。 6.水分・熱輸送観測用機材の設置ならびに地表付近の熱収支・水収支の目視観測 水分・熱輸送観測用機材を日本側ステ-ションである砂漠・オアシス観測地点に運搬し、組立作業を実施。さらに両地点の地表面付近の熱収支・水収支の目視観測を行った。
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