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化学系実験研究室の安全管理の国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 02041078
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関東京理科大学

研究代表者

田丸 謙二  東京理科大学, 理学部・化学科, 教授 (40011415)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード化学系実験研究室 / 有害廃棄物 / 有害蒸気 / 実験室の狭さ / ドラフト設備 / 環境管理 / 発癌性
研究概要

別添資料として一万字に近い詳細な報告書を作成してあるので,詳しくはそれを参照して頂くことにして,研究成果の概要について以下のように述べる。1990年12月20日に東京を発ち,翌年1月26日に帰国するまでの1ヶ月余りの間,冬休みとして一週間程の休暇以外は忙しく出来るだけ多くの大学を訪間して,化学系実験室(研究室)の設備,安全管理について調べた結果を報告する。まず訪間先は,米国ではスタンフォ-ド大学,クラ-クソン大学,コロンビア大学,エ-ル大学など,英国ではケンブリジ大学,ノッティンガム大学,オランダではライデン大学,ドイツではミュンヘン大学,スイスでツュ-リヒのETH(工科大学),フランスではストラスブルグのパストゥ-ル大学,パリのピエ-ル並びにマリ-キュリ-大学と数多くの大学を廻り,各大学における化学系実験研究室の安全管理について調べて来た。化学系実験研究室は,我が国においては,昨年5月に学術会議の化学研究連絡委員会報告に盛られたように,諸外国の実験研究室と比較して明かに狭溢であること,(実質的に三〜四倍混んでいる)が問題になったが,それだけでなく,実験室における有害蒸気(たとえばベンゼンの蒸気など)の管理についても,従来殆ど問題になっていなかった各種の物質が発癌性などで,その管理が非常にきびしくなったこともあり,それに備えて各国ではドラフトを増強するなどして設備の充実を計りながら安全並びに環境の保全について努力を拂っている。一方日本においては,国立大学の化学系実験研究室では,「基準面積」の制約もあって,実質的に現実にそぐわない狭さになって来て居り,外国からの留学生も驚く状況になっている。(私学においては一段と更にみじめになっている所が多い・・・特に研究をする先生達の研究室では)たとえば,有機化学の実験室ではアメリカ辺りではドラフトの中で実験するのが常識になっているが,わが国ではそれだけのドラフトもなく,実験台の上で実験がなされている。フランスではベンゼンの蒸気を吸っている人で癌になったということで「職業病」に認定されたこともある位注意して取扱い,設備も改善することが進んでいるが,わが国も当然それに備える努力が強く要望される。さもないと,違法行為が実験室でまかり通ることになるからである。実験室では有害な廃棄物が沢山出て来るので,その管理も年々きびしくなって来るが,実験室内の環境管理(有害蒸気の管理)など,ますますきびしさを増すことは明かで,国としての対応が余りに手遅れにならないように強く要望される次第である。

報告書

(1件)
  • 1990 研究成果報告書概要

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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