研究課題/領域番号 |
02041087
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
網干 善教 関西大学, 文学部, 教授 (90067463)
|
研究分担者 |
米田 文孝 関西大学, 文学部, 非常勤講師 (00298837)
橋本 征治 関西大学, 文学部, 教授 (50067633)
山岡 泰造 関西大学, 文学部, 教授 (50067576)
丹治 昭義 関西大学, 文学部, 教授 (00067555)
薗田 香融 関西大学, 文学部, 教授 (40067492)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
キーワード | シュラ-ヴァスティ- / 祇園精舎 / 祇園布施図 / 舎衛城 / 八大仏蹟 |
研究概要 |
平成2年度の調査・研究は研究目的・計画に準拠して実施し、下記の成果を得ることができました。 1,考古学的調査 (1)インド・パキスタンに所在する主要仏教遺跡の踏査とあわせて、各地の国立博物館、遺跡博物館などが所蔵する仏教関連遺物を実見し、特に既往のシュラ-ヴァスティ-遺跡群ジェ-タヴァナ(祇園精舎)遺跡の発掘調査で出土して遺物を考究するにあたり重要と判断できるものについては、写真撮影および遺物実測を行いました。 これらの作業により、カルカッタ国立博物館所蔵のバ-ルフト出土ストゥ-パ欄楯浮彫に描かれた「祇園布施図」やサ-ンチ所在ストゥ-パ欄楯浮彫にみられる一連の本生譚をはじめとし、多数の関連資料を収集することができました。 (2)シュラ-ヴァスティ-遺跡群に所在する主要遺構のなかで、これまで調査の手が加えられていない遺構について、インド政府考古局の了承のもと必要な範囲で清掃を行い、写真撮影とともに略測しました。これらにより、祇園精舎遺跡の発掘調査の結果について、考古学的見地から総合的に叙述する各種のデ-タを収集することができました。 また、平成3年度から3ケ年計画で実施予定のシュラ-ヴァスティ-遺跡群マヘ-ト(舎衛城)遺跡の調査・研究の準備作業として舎衛城遺跡内を踏査し、主要遺構の現況確認を行うとともに発掘調査区地選定に関連する各種のデ-タを収集しました。 2,文献学的調査 (1)祇園精舎遺跡出土刻文資料との関連で、インド・ネパ-ルに所在する主要仏教遺跡(八大仏蹟)を踏査し、あわせて各地の州立博物館、遺跡博物館、大学附属研究所などに所蔵される刻文資料を実見しました。それらのなかで祇園精舎出土の刻文資料と関連が強いと判断できる主要なものについて、記録をとるとともに写真撮影と略測を行いました。 (2)祇園精舎遺跡出土の刻文資料(有銘仏像、封泥など)を解読しその性格を明らかにするため、ベナレス・ヒンドゥ-大学のジャディシュアル・パンディ氏と共同研究を行い、現在も双方で継続して進めています。これらの成果より、文献学的見地から祇園精舎の成立と変遷を追求してゆきます。 3,地理学的調査 シュラ-ヴァスティ-遺跡群の周辺環境、特にその立地について調査する目的で幅広く遺跡周辺部を踏査するとともに、従来簡略な見取図しかなかった舎衛城遺跡について、平成3年度より試行的な発掘調査を予定している候補地点を中心に、正確な地形実測図を作成する準備として略測図を作成し、標高・比高などの基礎的デ-タを収集しました。 また、昭和63年度には遺跡周辺の主要地点で土壌のサンプリング調査を実施しましたが、その分析結果を踏まえて現地で検討し、自然地理学的見地から遺跡群の成立基盤について幅広く考究する種々のデ-タを収集しました。 人文地理学的見地からは遺跡群周辺に立地する諸集落を中心として聞き取り調査を実施し、職業・宗教などについて各種のデ-タを収集しました。それらを整理することにより、遺跡の現在と過去とのかかわりを探究します。
|