研究課題/領域番号 |
02042004
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | がん調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
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研究分担者 |
ザンノビック ウ゛ラデイミ バレ大学, 附属病院・内科, 講師
石川 晃一 山梨県衛生公害研究所, 研究員 (50192480)
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
園田 俊郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40036463)
田島 和雄 (田嶋 和雄) 愛知県がんセンター研究所, 部長 (30150212)
石田 貴文 東京大学, 理学部, 助手 (20184533)
難波 紘二 (難波 絋二) 広島大学, 総合科学部, 教授 (80156009)
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
ZANINOVIC Vladimir University of Valle Hospital, Cali, Columbia
ウ゛ラディミール ザンノビ バレ大学, 附属病院・内科, 講師
屋敷 伸治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40182315)
寺師 慎一 鹿児島大学, 南太平洋海域研究センター, 教授 (90041293)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1991年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1990年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | ATL / エイズ / HTLVー1 / HAM / TSP / HIV / SIV / STLVー1 / ヒト免疫不全ウイルス / サル免疫不全ウイルス |
研究概要 |
南米班:南米のモンゴロイド集団が居住する地域に残存しているHTLVー1と2のキャリア-の分布を調査した。HTLVキャリア-は中央アンデス東部の隔離された住民の間で5%(HTLVー1)、北部カリブ海側の砂漠地帯の住民に2%(HTLVー2)確められた。しかし、アンデス西部の交通の便利な地域やアマゾン川流域の住民には発見されなかった。太平洋側に住む黒人では8%にキャリア-が認められた。抗HIV抗体については全例陰性であった。アンデスのインディアンは日本人のHLA型と類似性を示すが、白人や黒人に少ない型の頻度が極めて高かった。 インド班:インドにおけるHTLVー1とHIVの感染の現状とHAM/TSPの存在の有無を明かにする目的で、ボンベイ病院を訪れたTSP,MS,ならびにその他の各種神経疾患の血清,髄液,ならびに一部リンパ球の採取を行った。サンプリングした43名中HTLVー1ならびにHTLVー2の陽性者は一人もいなかったが2人の血液ドナ-がHIV陽性であった。一方昨年度までにサンプリングした92例中2例のTSPで、血清抗体HTLVー号1抗体陽性でインドにもHAM/TSPの存在が確認された(鹿児島大グル-プ)。シンガポ-ル国立大、ガルカッタ統計研究所、デリ-全インド医学研究所、ヴエロ-ルCMC病院、バンコクチュウロンコン大にて、南アジア、東南アジア人1000名の血清を凝集法にてスクリ-ンニングし、26名の陽性と思われる検体をみいだした。これらの血清について他方法を用い検索中である(東大人類グル-プ)。 アフリカ班:ガ-ナ野口医学研究所をベ-スにガ-ナ国内、9地域の診療所より、エイズが臨床的に疑われる計75例より採血を行った。そのうち63例中56例がHIV陽性で、7例がHTLVー1陽性(疑陽性を含む)であった。これらの陽性例の確認試験とウイルス分離およびHLAの検索を行っている。ガ-ナでは、今迄にHIVー1とHIVー2が存在し、HIVー2がHIVー1と同様なエイズ症状を起こすこと、しかしHIVー1の方が多彩な症状を示すことを明かにした。また分離したHIV6株の解析から、従来知られているHIVー1とHIVー2と異なるHIVー2bの存在を明かにした。またHTLVー1陽性とHIV陽性との相関がみられたが、症状の重篤化は認められなかった。ケニア霊長類センタ-をベ-スにして6種のサル類より、計21例のサンプリングを行った。それらの多くはHIV、HTLVー1関連ウイルスを保有しており、現在ウイルス分離を行っている。ガボンのフランスウイル医学センタ-では、今迄にHTLVー1キャリア-がガボンに多く、分離したHTLVー1は従来のHTLVー1群と異なり、チンパンジ-STLVー1に極めて近いことを示した。またアンドリルから分離したSIVは、アフルカミドリザルSIVとも異なり、第4の霊長類レンチウイルス群も形成することを示した。 その他:北方ユ-ラシアにおけるHTLV分布の予備調査として中国、及びモンゴルを訪れた。北京では中日衣好病院と中国科学院遺伝研において、中国少数民族の疫学調査の打ち合せをし、血清の分与を受けることになった。モンゴルでは、モンゴル科学アカデミ-の生物工学研究所、公衆疫学研究所、人類学研究部等と打ち合せをおこない、HTLVの血清疫学調査をおこなった。18ないし19の部族のうち、12部族1000余名の血清をスクリ-ニングしたが、HTLV陽性者は皆無であった。このことは、HTLVが古いタイプのモンゴロイドに分布するのに対し、新しいタイプのモンゴロイドには見いだされないという説に対応していた。
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