研究分担者 |
PATRICK P. フランス原子力委員会, 超低温研究室, 室長
OCIO J. フランス原子力委員会, 磁気共鳴研究室, 研究員
THOLENCE J.L フランス国立科学研究センター, 低温研究所, 研究部長
SOULETIE J. フランス国立科学研究センター, 低温研究所, 研究部長
FLOUQUET J. フランス国立科学研究センター, 低温研究所, 研究部長
榊原 俊郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (70162287)
山岸 昭雄 大阪大学, 極限物性センター, 助教授 (10006273)
朝山 邦輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
OCIO Miguel Commisariat a l'Energie Atomique Institut de Recherche Fondamentale Service de P
THOLENCE Jean L. Centre de Recherches sur les Tres Basses Temperatures Centre National de la Rech
FLOUQUET Jacques Centre de Recherches sur les Tres Basses Temperatures Centre National de la Rech
HASSELBACH K フランス国立科学研究センター, 研究員
OCIO M フランス原子力研究センター, 研究員
TAILLEFER L グルノーブル大学(フランス), 助教授
DE Visser A アムステルダム大学(オランダ), 研究員
MARCENAT C フラン国立科学研究センター, 研究員
REMENYI G グルノーブル大学(フランス), 助教授
HAEN P フランス国立科学研究センター, 低温研究所, 部長
FLOUQUET J フランス国立科学研究センター, 低温研究所, 所長
網塚 浩 北海道大学, 理学部, 助手 (40212576)
堀 秀信 大阪大学, 理学部, 助教授 (20028244)
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研究概要 |
新しい型の超伝導の可能性が指摘されているUPt_3,URu_2Si_2化合物を中心に研究を行った。UPt_3,URu_2Si_2は高温の局在したウラン金属のf電子がsーf混成により近藤効果を示し50K以下の低温ではフェルミ液体モデルで近似されるコヒ-レント近藤状態になる。この準粒子バンドの一部が17.5Kでギャップを生じ残りのフェルミ面付近の準粒子(重い電子)が約1.4Kで超伝導相転移する。重い電子系でのCooper対の生ずる原因にスピンのゆらぎが関与していることが指摘されて四るが実験的証拠がなく現在最も注目されている問題である。中性子散乱実験、ミュ-中間子の緩和の実験から、UPt_3,URu_2Si_2は各々6K、17.5K以下の温度で磁気的秩序状態が発生することが示唆された。しかしUPt_3,URu_2Si_2共中性子散乱実験は約1/(100)μ_Bの反強磁性をμ SRはスピングラス的秩序状態を示唆し各々の結果は一致していない。またURu_2Si_2では17.5Kで比熱の異常は観測されるが34K付近で磁気秩序状態が生じている。この不一致には試料依存性があるようであるが17.5Kでの比熱の異常は試料によらない。URu_2Si_2,UPt_3の磁気秩序は格子欠陥、不純物等の影響が大きく相転移は明確なものではない。URu_2Si_2の17.5Kでの比熱の異常は磁気相転移ではなくむしろバンド構造の変化による格子歪みの不安定性から生ずるものである。バンド構造の変化は電子多体効果を反映したものと予想され不純物効果が大きいものと思われる。URu_2Si_2では5%〜10%のRhを加えることにより非局在的なフェルミ液体的状態から局在電子による磁気的状態へのクロスオ-バ-が生ずる。局在f電子系のU(Ru_<0.7>Rh_<0.3>)_2Si_2では異方性の大きいイジングスピン系として理解され、3段階の反強磁性相転移が生ずる。Rhが30〜40%付近の結晶では交換相互作用が競合しイジングスピン系の競合系として、いわゆる"悪魔の階段"的な多段階相転移を示す。またリエントラントスピングラス的性質も観測されスピングラス研究の新しい分野として今後も研究を発展させる予定である。
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