研究分担者 |
KARP B.Y. 科学アカデミー, 太平洋研究所・極東地震学部門(ソ連), 研究主任
ZDROVENIN V. 科学アカデミー, 太平洋研究所・極東地震学部門(ソ連), 研究員
是沢 定之 東京大学, 地震研究所, 助手 (80012946)
乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (90160895)
西沢 あずさ 東北大学, 理学部, 助手 (60201688)
塩原 肇 北海道大学, 理学部, 助手 (60211950)
根本 謙次 (根元 謙次) 東海大学, 海洋学部, 教授 (70164663)
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助手 (60191368)
HILDE T.W.C. テキサスA&M大学, 地球物理学部, 教授
PROKURDIN V. 科学アカデミー, 太平洋研究所・極東地震学部門(ソ連), 研究員
金沢 敏彦 東京大学, 理学部, 助教授 (30114698)
平田 直 千葉大学, 理学部, 助教授 (90156670)
玉木 賢策 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50188421)
藤本 博己 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50107455)
伊勢崎 修弘 千葉大学, 理学部, 教授 (60107943)
笠原 順三 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70012953)
島村 英紀 (島羽 英紀) 北海道大学, 理学部, 教授 (10011636)
瀬川 爾朗 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60013570)
小林 和男 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10013559)
上田 誠也 東海大学, 海洋学部, 教授 (60011459)
AZMUK S. 科学アカデミー, 太平洋研究所・極東地震学部門(ソ連), 研究員
ANOSHIN A. 科学アカデミー, ハバロフスク地球科学研究所(ソ連), 研究員
KIM H. 科学アカデミー, 南サハリンスク地球科学研究所(ソ連), 研究員
SUDAKOV A. 科学アカデミー, 太平洋研究所・極東地震学部門(ソ連), 研究員
KANAZAWA T. Lab. for Earthquake Chemistry, Faculty of Sci., Univ. of Tokyo Associate Profess
HIRATA N. Dept. of Earth Sciences, Faculty of Science, Chiba University Associate Professo
TAMAKI K. Ocean Research Institute, University of Tokyo, Associate Professor
ISEZAKI N. Dept. Earth Sciences, Faculty of Science, Chiba University Professor
KASAHARA J. Earthquake Research Institute, University of Tokyo Associate Professor
SEGAWA J. Ocean Research Institute, University of Tokyo, Professor
UYEDA S. School of Marine Science and Technology, Tokai, University Professor
OTOFUJI Y. Dept. of Earth Sciences, Faculty of Science, Kobe University Associate Professor
YAMANO M. Earthquake Research Institute, Univ. of Tokyo, Research Associate
KORESAWA S. Earthquake Research Institute, University of Tokyo, Research Associate
NEMOTO K. School of Marine Science and Technology, Tokai University Professor
ZDOROUENIN V ソ連科学アカデミー, 太平洋研究所, 研究員
新妻 信明 静岡大学, 理学部, 教授 (80005818)
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研究概要 |
本研究の基本構想は1988年テキサスA&M大学のシンポジウム(5月)に,上田(日)・Karp(ソ)・Hilde(米)の三者によって合意された。つづいて木下(千葉大)が具体的実行案を作製し,複数の研究機関の研究者の参加を得て1990年度から実行の運びとなった。初(1990)年度の実行は概ね次の手順で行なわれた。即ち(1)日米ソによる調査海域の設定(日本海・日本海盆)。(2)日ソ間実行前打合せ(2回)。(3)東大海洋研究所・淡青丸航海。(4)ソ連科学アカデミ-・ボゴロフ号航海。(5)東京大学海洋研究所用船(第5海工丸)航海。(6)洋上会合及び海域共同探査。(7)海上保安庁第7管区やひこに探査協力を得る。(8)日ソ間研究成果連絡・打合せ(2回)。 この共同調査によって得られた成果は,1989年度の深海掘削計画(ODP)航海の成果なども取り入れて,各研究者の研究最終報告,国内地球科学関係学会報告,国際地球物理連合学会報告,国際リソスフェア探査計画報告,日ソモノグラフ報告などに組込まれた。以上によって(1990)年度の調査研究実行計画はほぼ目標を達成した。 1991年度は前度度に引きつづき次の手順で実行された。即ち(1)研究航海計画(継続)の実行前打合せ(2回)。(2)東京大学海洋研究所・淡青丸航海(航海2節)。(3)ソ連科学アカデミ-・ガガ-リンスキ-号航海。(4)研究成果連絡・まとめ(2回)。 この成果は前半同様,各研究者の研究最終報告,国内関連学会,国際関係学会で遂次発表されつつある。また1992年度に行なわれる国内・国際学会ならびにシンポジウムでの発表も行なわれる予定になっている。なお予定より遅れてはいるものの日ソモノグラフも出版され,また本研究グル-プでも独自に研究成果をまとめて印刷し,今後の研究発展のための資料として公表する予定である(例えば地震研究所彙報,1992など)。 以上,本研究計画の実行概要を述べたが,実施に際し,各行政機関に多大の協力と協力要請を依頼し,快く引き受けていただいた。折しも世界的政治・経済状況の激変期にあたり,日ソ(後に日ロ)間の折渉には困難も伴ったが,双方の協力で当初の計画を大きく変更することなく実行できたことは自讃してよいであろう。 本研究成果は今後まとめを出すべき状態ではあるが,現時点で得られた点を次のように挙げる。即ち(1)日本海盆の堆積層の厚さ分布がより明らかにされ,これに基いて日本海全体の基盤深度分布図が改訂された。(2)日本海盆の海底地殻は約13km(水深3.5km)であり,大型の海盆(太平洋など)と類似性がある。この点に関して従来日ソ科学者間に異和があったが,今回の共同作業により最終結着した。これによって,日本海は(多分)海底拡大作用によって形成されたものとの認識を得る。(3)日本海南部の大和海盆へ北部の日本海盆への遷移地域は,重力的にアイソスタシ-ではなく地殻の剛性で支えられていると推定され,両海盆の発生メカニズムの差異を指唆する。(4)前(2)項を仮定した場合,日本海盆で見られる地磁気異常の縞紋様分布からモデル計算によって得る値は,海底の拡大が245/6百万年以前で,その速さが5〜6cm/年と推定される。なおこの運動は少なくとも2千万年前に終焉し,その後日本海南部の大和海盆に地殻の急伸展が見られた。(5)第4紀は日本海全体は東西圧縮の場にあると推定されているが,それに必らずしも一致しない火成活動が見られた。 以上のことが本研究独自の解析によって得られ,もしくは推定される成果といえよう。
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