• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

双極子追跡による「てんかん」異常脳波電源位置推定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 02044054
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東京工業大学

研究代表者

武者 利光  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70016319)

研究分担者 FLINK R.  ウプサラ大学, 講師
BLOM S.  ウプサラ大学, 教授
HAGBARTH K.ー  ウプサラ大学, 教授
岡本 良夫  千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20152358)
中島 祥夫  千葉大学, 医学部, 教授 (60092079)
本間 三郎  千葉大学, 医学部, 名誉教授 (70009075)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1990年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
キーワード双極子 / 誘発電位 / 知覚 / 認識 / 脳電位 / EEG
研究概要

研究実績の概要
1.われわれが開発した「双極子追跡法」では被験者の頭蓋形状を正確に測定し、頭蓋内部は一様な導体であるとして頭皮上の電位分布から脳内の電流双極子の位置を推定する。頭蓋骨は導電率が脳組識の導電率の約80分の1であるから、このようにして推定した電流双極子の位置は真の電源位置よりも内側になる。したがってこの方法の唯一の問題点は頭蓋骨の影響をどのようにして補正するかである。平成元年度の国際学術研究で、スエ-デンのウプサラ大学病院に於て、「てんかん」の診断用に硬膜下に挿入された電極にパルス状の電流を流して人工的に電流双極子を頭蓋内の既知の場所に作った。電極の位置はX線写真によって求めるが、X線の線源が患者の頭蓋に接近して置かれるので、X線写真に移った映像は平行なX線による映像に比べてかなりの歪をもつので、このひずみを補正するアルゴリズムを完成した。
本年度は平成2年10月2日から10月24日まで、研究分担者が時期をずらしてウプサラ大学病院のHagbarth教授のもとに滞在した。それと同時に「双極子追跡装置」のデ-タ収録部分を航空便で同病院に輸送して、再び「てんかん」患者の診断用に頭蓋内部に挿入した電極に通電して実験を行なった。今回は頭蓋内部の1対および2対の電極に通電して人工的な電流双極子を作り、双極子追跡装置でそれらの位置を推定する作業を行なった。その結果として次の2点が明らかになった。
1)単一双極子モデルを適用したときに、補正デ-タには若干の個人差がある。また頭蓋形状が極端に細長い場合には、補正をするのに必要なこれまでの補正方法のに必要な等価的な曲率中心が双極子がどこにあるかによってその位置が異なってくるので、補正が難しくなる。
2)2双極子モデルを適用するときの等価的な曲率中心は単一双極子の場合の等価的な曲率中心とは必ずしも一致しない。
これらの結果に基づいて、位置の補正方法を抜本的に改めることにし、帰国後にわれわれのグル-プで討議を行ない、新しい方法を考案した。つまり双極子の位置を求めてから位置を補正するのではなくて、頭皮上の電位分布を測定したあとで、一様導体モデルを用いて正しい双極子の位置が自動的にもとまるように電位分布を変換する。このために多層球殻モデルを用いて電位分布の変換関数を求めた。この変換関数を基礎にして実際の場合の変換関数を求める作業を始めた。最終的な結果はまだ得られていない。現在Hagbarth教授からル-チン的にてんかん患者についての測定デ-タが送られてくるので、デ-タの蓄積と解析を続けている。これは来年度の継続研究事項になる。
2.この研究と平行して、これまでPETでしか求められないと考えられていた文字認識過程を双極子追跡装置で行なう実験を実施した。ブラウン管面状に漢字又は平仮名1文字を瞬間的に表示し、被験者はそれを声を出さずに読む。この作業を繰り返して、測定された頭皮上電位を約100回加算平均してから双極子追跡を行なったところ、1次視覚野から視覚連合野を経て左側頭葉へ移動する経過を経時的に追跡することができた。この結果をPETによる文字認識の結果と比較したところ1次視覚野から側頭葉へ動き始めるところまでの位置が非常によく一致することを見いだした。
3.「てんかん」の焦点に発生するニュ-ロンの脱分極にしても、認識過程に伴うニュ-ロンの脱分極にしても、脳内部の2箇所で発生する場合がある。そこで単一双極子モデルを適用すべきか2双極子モデルを適用すべきかを決定する基準を作らなければならない。そこで、計算機実験を行なった。つまり、それぞれの場合に応じて単一または2個の電流双極子を適当な場所におき典型的な双極子モ-メントをもたせて頭皮上の電位分布を計算し、それに雑音を加えてから単一双極子モデルおよび2双極子モデルにより双極子の推定を行なった。これら2つのモデルによる推定結果から、脱分極しているニュ-ロンが局在しているか、または2箇所に分離しているかを判定する基準を作った。

報告書

(1件)
  • 1990 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] R.Flink,S.Blom,K.ーE.Hagbarth,E.Spannare,T.Musha,S.Homma,Y.Nakajima and Y.Okamoto: "A Dipole tracing method using a homogeneous model of realistic head geometry,tested by intracranial stimulation" EEG Journal. 76. 24 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Musha and S.Homma: "Do Optimal Dipoles Obtained by the Dipole Tracing Method Always Suggest True Source Locations?" Proceedings of Brain Topography. (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] R. Flink, S. Blom, K. -E. Hagbarth, E. Spannare, T. Musha, S. Homma, Y. Nakajima, and Y. Okamoto: "A dipole tracing method using a homogeneous model of realistic head geometry, tested by intracranial stimulation" EEG Journal. 76. 24 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Musha and S. Homma: "Do Optimal Dipoles Obtained by the Dipole Tracing Method Always Suggest True Source Locations?" Proceedings of Brain Topography. (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi