太陽活動現象と磁場構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号	02044074
研究種目	国際学術研究
配分区分	補助金
応募区分	共同研究
研究機関	京都大学
研究代表者	牧田貢京都大学, 理学部, 教授 (90012806)
研究分担者	方成南京大学, 天文系, 教授丁有済中国科学院, 雲南天文台, 教授艾国祥中国科学院, 北京天文台, 教授椿都生夫滋賀大学, 教育学部, 教授 (10040700) 久保田諄大阪経済大学, 経済学部, 教授 (30066815) 一本潔国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (70193456) 末松芳法国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (50171111) 桜井隆国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (40114491) 平山淳国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (20012841) 日江井栄二郎国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (60012796) 黒河宏企京都大学, 理学部, 助教授 (80135508) DING Youji Yunnan Observatory, Prof. AI Guoxiang Beijing Astronomical Observatory, Prof. FANG Cheng Nanjing University, Prof.
研究期間 (年度)	1990
研究課題ステータス	完了 (1990年度)
配分額 *注記	3,000千円 (直接経費: 3,000千円) 1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード	太陽活動 / 磁場 / 同時観測
研究概要	研究成果は平成2年10月23日〜26日に東京で行われた「SolarーA国際会議」及び平成3年3月1日〜9日に昆明で開かれた「第一回日中太陽物理学セミナ-」のプロシ-ディング(共に出版準備中)に発表されるが、本研究の成果は次の三つにまとめられる。 (1)同時協同観測の実施太陽研究には種々の観測装置による総合的デ-タ-取得が有効である。我国の太陽観測グル-プは中国側と協力して、同じ太陽の活動領域を同時に長時間観測することを目論み、ここ2〜3年FAXTELX、電話等を使った天文台間の国際ネットワ-ク整備を行ってきた。国内では国立天文台・三鷹ー岡山、乗鞍、京都大学飛騨ー花山、滋賀大学、通総研平磯を結び、中国側は北京天文台〓柔から雲南天文台を通じて全国に伝えられるものである。今年度は8月19日〜9月2日に活動領域NOAA6233を共通目標とした協同観測を行った。まだどの程度総合的デ-タ-が得られたか定かではないが、昨年度以前に得たデ-タ-についてはまとめられたプロシ-ディングに発表される。しかし、総合解析のできた活動領域の数はまだ少く、一般的な結論を引き出すにはまだまだ協同観測を行ってデ-タ-の蓄積を行う必要がある。 (2)共同解析共同解析はまだ端緒についたばかりでプロン-ディングに示されるように断片的に行われている。本格的な解析研究は総合デ-タ-の蓄積と共に堂に入ってくるものと思われる。磁場がポランシャル構造でなく、電流のあるシア構造をしている時に活動現象が起り易いことは今までの観測から疑いのないところであるが、近い将来、いつどこで活動現象が起るかを特定できるようになると信じている。 (3)研究交流今回の共同研究の一番の成果は相互に有効な研究交流を行えたことである。まず第一に「SolarーA国際会議」に中国側の中堅研究者である艾(北京天文台)、丁(雲南天文台)、方(南京大学)の3氏を招くことができた(但し方氏は国立天文台の招きによる)。これは平成3年8月に打ち上げ予定のSolarーAをめぐる協同観測、或は將来のSpace観測協力に重要な一石であった。丁、方両氏は会議後我国の地上太陽観測施設をめぐり、視察と研究討論を行い、更に方氏は国立天文台において共同研究を続けている。一方、中国科学院主催による第1回日中太陽物理学セミナ-が行われ、我国から11名が参加した(内7名が当補助金による)。中国側からは30名余りが参加し、彼我のデ-タ-を持ち寄って有効な議論が展開された。その際、開催地及経由地にある雲南天文台と北京天文台の施設を視察し、観測の実態を見ることができた。補助金給付の期間が一年であるため、調査研究のための地ならしが完了したというのが実状である。今後この基盤の上に観測協力を続け、総合的デ-タ-の蓄積を行い、活動現象と磁場構造の関係解明を推し進めたい。