研究課題/領域番号 |
02044077
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇津呂 雄彦 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027421)
|
研究分担者 |
海老沢 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027453)
川端 祐司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00224840)
金谷 利治 京都大学, 化学研究所, 助教授 (20152788)
好村 滋洋 広島大学, 総合科学部, 教授 (50034583)
DREXEL Winfr ラウエ, ランジュバン研究所(フランス国), 主任研究員
STEYERL Albe ロードアイランド大学, 物理学科(アメリカ合衆国), 教授
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1990年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | 中性子分光器 / 中性子散乱実験 / 超高分解能 / 超冷中性子 / 性能比較 / 特性試験 / 高中性子束炉 |
研究概要 |
本研究は、中性子散乱実験のための中性子分光器として現在最も優れた分解能を有する超冷中性子重力分光器について、フランス国グルノ-ブルのラウエ・ランジュバン研究所にて現在稼働中の飛程集束式重力分光器と、当研究代表者が開発した落差集束式重力分光器との性能比較実験を行おうとするものである。このため平成2年度は、まず両分光器の性能比較実験を具体的に計画する第1段階として、飛程集束式重力分光器NESSIEを設計製作したアメリカ合衆国ロ-ドアイランド大学のアルバ-ト・シュタイエル教授と研究討議を行い、両分光器のエネルギ-分解能、中性子集束性能、中性子散乱試料に対する制限等の諸条件を比較検討した。さらに、同分光器NESSIEを用いてこれまでにシュタイエル教授が測定した超高分解能中性子分光実験の結果を解析分析し、性能比較実験において目標とすべき実験精度等について意見交換した。これらの結果、本研究の目的である両分光器の性能比較実験はラウエ・ランジュバン研究所の高中性子束炉における超冷中性子源設備を用いて行うことが最も望ましいとの結論が得られた。 次いで、現在同研究において稼動している重力分光器NESSIEについて、その実験状況、実験研究試料等を調査するため、海老沢徹が同研究所を訪問し、現在同研究所にてNESSIEの担当者となっているドレクセル博士等と討議した結果、同重力分光器の実験において用いる中性子散乱試料の選定と実験条件等の整備には慎重な配慮と賢明な判断が必要であることが明らかになった。すなわち、超冷中性子重力分光器はこれまでにない超高分解能を有していること及び光学的挙動のきわめて顕著な超冷中性子を用いていることから、散乱試料の種類、試料容器の構造及び材質、試料の形状寸法等を実験に適合するように選定する必要があり、その選定条件等が明らかになった。 さらに、当研究代表者等が開発した落差集束式重力分光器をフランス国ラウエ・ランジュバン研究所において性能比較実験を行うための準備作業が進められ、川端祐司が同研究所を訪問して、この性能比較実験を行うための分光器設置場所及び設置条件等を調査した。その結果、同分光器は同研究において試験のための設置予定装置として検討の対象として取り上げられ、SUPERーNESSIEと仮に命名されるとともに、その設置計画に関する討議が始められた。同研究所側の計画では、同分光器SUPERーNESSIEの設置場所は超冷中性子源利用施設の中で現在重力式回折装置が稼動している場所で、同装置が用いている超冷中性子ビ-ムを使用することが最適であるということになった。同重力式回折装置は現在最後の研究目的のための実験が行われており、この実験が終了次第、我々のSUPERーNESSIEと入れ替わるという計画が立てられた。 ついで、これらの研究進展をふまえて、当研究代表者が再度ロ-ドアイランド大学のシュタイン教授を訪ね、両重力分光器の性能比較実験をラウエ・ランジュバン研究所の超冷中性子源利用施設において行うための、より詳細な討議を進めた。この討議から、性能比較実験に最も適した測定試料について極めて有望な見通しが得られるとともに、性能比較実験計画について、より具体的な検討が進められ、同実験の実施に向けて今後の検討事項や準備課題等が討議され、整理された。
|