研究課題/領域番号 |
02044091
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
手塚 慶一 大阪大学, 工学部, 教授 (20028955)
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研究分担者 |
クロゼ J.F. マサチューセッツ大学, 計算機科学系, 助教授
バストーラ K.S. レンゼラー工科大学, 生産技術研究センター, 助教授
大月 一弘 神戸大学, 教養部, 講師 (10185324)
山本 幹 大阪大学, 工学部, 助手 (30210561)
岡田 博美 大阪大学, 工学部, 助教授 (10093387)
VASTOLA Kenneth S Manufacturing Engineering Center Rensselaer Polytechnic Institute
KUROSE James F. Department of Computer and Information Science, University of Massachusetts
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 広帯域ISDN / 階層型ネットワ-ク / 超高速広域ネットワ-ク / MAN / 相互接続 / 交換機ア-キテクチャ / リング型ネットワ-ク / アクセス制御 / NAN / LAN |
研究概要 |
音声・デ-タ・画像などからなる多元トラヒックを単一のネットワ-クインタフェ-スで処理する広帯域ISDNを構成する場合、基幹部を数G〜数百Gbpsの超高速広域ネットワ-クで構成し、これに数百Mbps程度の高速中域ネットワ-クさらには1〜10Mbps程度の低速構内ネットワ-クを接続するという、階層的ネットワ-ク構築形態が効率性・柔軟性ならびに発展性の点できわめて優れている。本研究においては、この階層構造をとる広帯域統合ネットワ-クの構築技術の内、高速伝送処理技術、階層間整合問題、及びトラヒック制御のそれぞれを研究課題として取り上げている。本年度は、各階層ネットワ-ク高機能化、並びに相互接続技術の開発を目的として、(1)階層間相互接続ネットワ-クシミュレ-タの開発、(2)超高速広域ネットワ-クにおけるトラヒック制御技術の開発、(3)高速中域ネットワ-クに適したアクセス制御方式の開発、(4)超高速広域ネットワ-クと高速中域ネットワ-ク間の相互接続点でのトラヒック制御技術の開発、を行った。 階層間相互接続ネットワ-クシミュレ-タ開発としては、前年度において開発した超高速広域ネットワ-ク用シミュレ-タ並びに高速中域ネットワ-ク用シミュレ-タを統合し、両者を相互接続したネットワ-クシステムに対するシミュレ-タを開発し、以下に述べる相互接続点でのトラヒック制御方式の特性評価に使用した。 超高速広域ネットワ-クのトラヒック制御技術としては、まず、主要トラヒックの一つである画像トラヒックの代表的なサ-ビス形態である1対多通信形態即ち放送形トラヒック形態に適した経路選択問題を取り扱った。放送形トラヒックを収容する際に設定される木状の経路において、情報コピ-操作の特定の分岐点への集中を回避し、分岐点での情報コピ-操作の地理的分散を図る経路選択法を新しく提案し、ネットワ-クシミュレ-タを用いた特性評価により、その有効性を明らかにした。さらに、要求品質の異なる多数のトラヒックが混在する超高速広帯域ネットワ-クにおける要求条件に応じた経路選択法として、各リンクのコスト関数を要求条件に応じて設定する手法を新しく提案した。ネットワ-クシミュレ-タを用いた特性評価により、本経路選択法によりトラヒックの遅延要求などに応じた経路選択が行われていることを確認し、本方式の有効性を明らかにしている。 高速中域ネットワ-クについては、まず、リング形ネットワ-クについて、中・低負荷時には競合形アクセス方式をとり、高負荷時にはト-クン形アクセス方式をとるコンテンションリングに対し、優先権機能をもたせた新しいアクセス方式を提案した。本方式により、多種トラヒックが混在する状況において、適切な優先権の付与によりトラヒック要求に応じた遅延特性などの配分が可能であることを、ネットワ-クシミュレ-タを用いた特性評価により明らかにした。さらに、高速中域ネットワ-クの実現方式として現在注目を集めつつあるDQDB方式について、その基本特性を解析により求め、その有効性を定量的に明らかにしている。 超高速広域ネットワ-クにATMネットワ-ク、高速中域ネットワ-クにFDDIを用いた際の、両者の相互接続点におけるトラヒック制御方式として、FDDIの情報伝送単位であるフレ-ムを制御単位とする方式を提案した。これは、フレ-ム単位でみた時のATMネットワ-ク内伝搬遅延が、セル単位でみたときのものに比べて相対的に小さいことに着目し、セル単位の制御では導入が難しいとされていたフィ-ドバック形制御を適用したものである。具体的には、受信側ゲ-トウェイ(GW)にフレ-ムが到着する度に、そのフレ-ム長を情報として含む制御情報を送信側GWに送信し、これをもとに送信側GWからのセル送出速度等を調整するものである。上記の相互接続ネットワ-クシミュレ-タを用いて、本方式の特性評価を行いその有効性を明らかにしている。 以上、本年度においては階層型ネットワ-ク構成における各構成要素ネットワ-クの各々の高機能化、並びに階層間相互接続技術の開発を目的として種々の観点から研究を遂行した。また、これらの研究成果を国内外において活発に発表し、本研究の成果公表並びに外部からの評価を積極的に受け、最終年度における総括を行った。
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