研究課題/領域番号 |
02044094
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤本 文範 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70012242)
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研究分担者 |
REMILLIEUX J リオン大学―I, 原子核物理研究所, 教授
DRUETTA M. リオン大学―I, 原子分子分光学研究所, 助手
POIZAT J.C. リオン大学―I, 原子核物理研究所, 教授
東 俊行 東京大学, 教養学部, 助手 (70212529)
山崎 泰規 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114903)
小牧 研一郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (40012447)
AZUMA Toshiyuki College of Arts and Sciences, University of Tokyo.
PIZAT J. -C Institute de Physique Nucleaire, Universite Claude Bernard Lyon-I
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 共鳴励起 / 重イオン / 水素型イオン / GANIL / Stark効果 / デグレ-ダ / チャネリング / 単結晶薄膜 |
研究概要 |
日本側メンバ-はこれまで行ったNa,F,Mgイオンを用いた実験の結果をもとに、フランスのGANIL(Grand Acce^^'le^^'rateur National d'lons Lourds)で行う実験の計画を検討した。その結果、以下の3点を実験の目標とすることにした。1)重イオンの低次の、できれば1次の共鳴を観測する。2)Stark効果で分裂したn=2の各準位への励起を分離して実現する。3)これらの準位の波動関数の形が荷電分布と2方向で測定した放出X線スペクトルの共鳴に及ぼす影響を調べる。 以上の方針をフランス側と協議すること、GANILにおける実験条件を直接調べるため、藤本、小牧の2名が9月23日から10月3日の間出張した。パリにおいてエコ-ル・ポリテクニクのケレ(Que^^'re^^')、リヨン大のリミュ(Remillieux)、パリ大のコ-エン(cohen)氏らと打ち合わせた後、ノルマンディ-のカン市にあるGANILを訪問し、トゥ-ルモンド(Toulemonde)氏と加速可能なイオン種やエネルギ-などの条件、入手可能な単結晶薄膜などについて具体的な検討を行った。本研究には、1)入射エネルギ-を共鳴条件付近で微小な幅で変えること、2)水素型(1電子)の、平行度の高いビ-ムが十分な強度で得られることが必要である。1)については、デグレ-ダ(ビ-ムの通路に挿入しエネルギ-損失を引き起こす薄板)を使用することにより、2)については、重原子のデグレ-ダを用いることにより解決できると考えられ、本計画が基本的に実行可能であることを確認した。デグレ-ダの使用については11月末にフランス側メンバ-がRTE(Reーsonant Transfer & Excitation)の実験を行う予定になっており、これに参加し、デグレ-ダのテストを行うことにした。 小牧は11月25日から12月4日までGANILへ出張し、フランス側メンバ-とともにRTEの実験を行った。GANILの加速器はセクタ-型サイクロトロンが2台直列になっており、実験ではXe^<18+>をイオン源から0.49MeV/uで引き出し、初段のサイクロトロンで6.91MeVまで引き出した後、ストリッパ-フォイルを通過させ、Xe^<44+>を取り出し、2段目のサイクロトロンで44MeV/uまで加速した。ビ-ムはさらにAlデグレ-ダを通して、43〜31MeV/uまで減速し、Xe^<52+>(2電子)を選び出して実験エリアに導いた。デグレ-ダからは通常様々な荷電状態、エネルギ-の不要の(邪魔な)イオンが出てくるが、当所では「α」と称する270^゚ビ-ムを偏向する装置があり、きれいなビ-ムが得られる。平行に揃えたビ-ムをSiの〈110〉軸チャネリングさせ、透過粒子の荷電分布と放出X線のスペクトルを測定した。入射エネルギ-はデグレ-ダの傾きを変えることにより、0.4〜0.5MeV/u(〜1%)の間隔で変えた。エネルギ-変化後、チャネリング方位の再確認により、ビ-ム方向のずれは100分の1^゚以下であることが分かった。これに要する時間は1時間程度で十分短い時間で次の測定に入れることが確認された。 RTEとはAuger電子放出の逆過程に当たるもので、走行するイオンが標的から電子を1個捕獲すると同時に余ったエネルギ-で自分の電子を励起する過程である。本実験ではSiの伝導電子がXeのL殻に捕獲されると同時にXeのK電子が1個L殻へ励起される。捕獲に際して余ったエネルギ-が励起エネルギ-と一致しないときはX線が放出される。これがREC(Radiative Electron Capture)である。両者が一致すると共鳴的に捕獲と励起が起こる。 実験結果では、LーRECーX線のエネルギ-は入射エネルギ-とともに増大し、これがXeのKα線と一致する入射エネルギ-でRTE条件が満たされ、Si伝導電子の運動量分布に相当する幅でX線強度が増大することが見いだされた。 本年度内には本研究のためのマシンタイムはとれなかったが、来年度は実験が行える見込みである。この先の実験計画を固めるため3月に藤本がフランスへ出張する予定である。
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