研究課題/領域番号 |
02044118
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
片上 秀喜 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50204417)
|
研究分担者 |
大熊 新一 森下製薬(株), 薬理研究所, 室長代理
松倉 茂 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70030939)
加藤 幸雄 群馬大学, 内分泌研究所・ホルモン測定センタ, 助教授 (30114177)
KEELLY Mayo ノースウェスタン大学, 生化学(アメリカ合衆国), 準教授
MAYO Kelly Northwestern University, Department of Biochemistry, Molecular Biology and Cell
KELLY Mayo ノースウェスタン大学, 生化学(アメリカ合衆国), 準教授
青木 宙 宮崎大学, 農学部, 教授 (00051805)
EVANS Ronald ソーク研究所, 分子生物学(アメリカ合衆国), 教授
MAYO Kelly ノースウェスタン大学, 生化学(アメリカ合衆国), 準教授
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 遺伝子侏儒症ラット / 成長ホルモン単独欠損症 / 成長ホルモン点突然変異 / 成長ホルモン促進因子 / ソマトスタチン / ヒトGRF / GH遺伝子導入 / ヒトGRF高感度EIA / 遺伝性侏儒症ラット / 午長ホルモン促進因子 / 成長ホルモン(GH)遺伝子 / 点突然変異 / 異常ラット成長ホルモン |
研究概要 |
遺伝性侏儒症ラットにおける成長ホルモン遺伝子の発現異常に関する研究 ヒト下垂体性小人症の疾患モデル動物として、欧米で開発された侏儒症マウスがあるが、これらのマウスは成長ホルモン(GH)以外の下垂体前葉ホルモンの分泌異常を伴ったり、また、非常に小さいため、小人症の病因病態を解明する上で適切ではなかった。近年、本邦において、研究分担者の1人である大熊によって常染色体劣性遺伝の侏儒症ラットが発見された。その成因としてGH合成障害が考えられるが、GH分泌合成を調節する視床下部ホルモン、GH促進因子(GRF)あるいはGH抑制因子(ソマトスタチン、SRIF)の異常も考えられる。本研究においては、他に類をみない、本邦独自の遺伝性侏儒症ラットの成因を解明するため、GH、GRFならびにSRIFの各遺伝子レベルでの検討を行なった。 平成2年度末までに、本症ラットの成長障害の成因としてGH遺伝子上での異常が明らかにされた(Takeuchi T et al.Endocrinology 126:31ー38,1990 片上秀喜 成長科学協会付属研究所研究年報 第13号 1989年度307ー318貢)。これらの研究によると、GH遺伝子のうち第3イントロンと第4エキソンの接合部において、GuanineがAdenineに点突然変異を生じていた。その結果、GH mRNAのスプライシング異常がおこり、frame shift の結果生ずるGH分子は生物活性ならびに免疫活性を失ったものと推定された。 しかし、これ以外の、複数の点突然変異が生じている可能性があり、平成3年度にさらに詳細に検討した。その1つは、PCR法により、ラット成長ホルモン遺伝子の第5エクソン部に別の新たな点突然変異がみいだされた(Katakami et al in preparation)。その結果、予想されるGH分子はnative rat GHとは3次元構造が異なり、免疫原性ならびに生物活性の無いものであることが予想された。 本研究を開始するにあたり、GH分泌合成を調節する視床下部ホルモン、GH促進因子(GRF)あるいはGH抑制因子(ソマトスタチン、SRIF)の異常も考えられたが、その後の検討により、GRF/SRIF遺伝子と蛋白質には異常は認められなかった(片上秀喜 成長科学協会付属研究所研究年報 第13号 1989年度307ー318貢、Katakami et al in preparation). さらに、本症ラットにおける成長障害が、正常ヒトGH/GRF遺伝子の導入治療により矯正される可能性を検討した。即ち、transgenic ratを作成するために必要な、マウスmetallothionein promotorに結合したヒトgenomic GH/GRF遺伝子を共同研究者Mayo博士の協力を得て調製した。また、ヒトGH/GRFーtransgenic rat のスクリ-ニングとして、ラット血中のヒトGH/GRF蛋白質を測定する高感度EIA法を確立した(Hidaka et al,Clinical Chemistry and Enzymology Communications,in press;JCEM submitted publication)。また当大学動物センタ-にて遺伝子導入ラット作成・飼育に関する文部大臣の許可を得た(文学助第53号)。 今後の課題としては、GH単独欠損症における他の内分泌・代謝異常の明らかすること、本症ラット受精卵に正常のヒトGH/GRF遺伝子を導入し、GH欠損症におけるGH/GRF過剰の影響を学際的に解明することである。
|