研究分担者 |
L. FRASINSKI レディング大学, 理学部, レクチャラー
F. READ マンチェスター大学, 理学部, 教授
C.J. LATIMER ベルファスト, クィーンズ大学・理学部, シニアレクチャラー
M. SHAH ベルファスト, クィーンズ大学・理学部, シニアリサーチャー
上田 潔 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (50151791)
H.B. GOLBODY ベルファスト, クィーンズ大学・理学部, 教授
柳下 明 高エネルギー物理研究所, 放射光施設, 助教授 (80157966)
高柳 俊暢 上智大学, 理工学部, 助手 (00154914)
J. COMER マンチェスター大学, 理学部, シニアレクチャラー
G. KING マンチェスター大学, 理学部, レクチャラー
檀上 篤徳 新潟大学, 理学部, 助教授 (40018669)
河内 宜之 東京工業大学, 理学部, 助教授 (50161873)
籏野 嘉彦 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016121)
佐藤 幸紀 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (10006158)
大谷 俊介 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (60023735)
田沼 肇 東京都立大学, 理学部, 助手 (30244411)
小泉 哲夫 立教大学, 理学部, 助教授 (90147926)
木村 正広 大阪大学, 理学部, 助手 (40028238)
奥野 和彦 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70087005)
藤本 孝 京都大学, 工学部, 教授 (90026203)
W.R. NEWELL ロンドン大学, 理学部, シニアレクチャラー
A.C.H. SMITH ロンドン大学, 理学部, シニアレクチャラー
C. CURELL マンチェスター大学, 理学部, Post Doc.
J. WEST ダレスベリー研究所, 主任研究員
KOUCHI Noriyuki Tokyo Institute of Technology
F Currel The University of Manchester
WEST J. ダレスベリー研究所, 主任研究員
LATIMER C.J. ベルファスト, クィーンズ大学・理学部, シニアレクチャラー
READ F. マンチェスター大学, 理学部, 教授
GILBODY H.B. ベルファスト, クィーンズ大学・理学部, 教授
鵜飼 正敏 東京工業大学, 理学部, 助手 (80192508)
城丸 春夫 東京都立大学, 理学部, 助手 (70196632)
伊藤 陽 城西大学, 理学部, 助教授 (10159923)
鈴木 洋 上智大学, 理学部, 教授 (70053486)
COMER J. マンチェスター大学, 理学部, シニアーレクチャラー
平山 孝人 学習院大学, 理学部, 助手 (40218821)
小谷野 猪之助 姫路工業大学, 理学部, 教授 (80016089)
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研究概要 |
本研究は日・英間の共同研究として平成2年度から平成4年度にわたり行われた。主たる研究目的は1.小型,軽量多価イオン源を開発し,多価イオンと原子,分子の衝突の研究,2.高分解能粒子線分光法を開発し,電子,イオン,光子と分子の衝突の研究を行うことである。 平成2〜3年度に,ベルファスト・クィ-ンズ大学においてECRイオン源を,また都立大学において電子ビ-ム型イオン源を建設した。両イオン源の建設に際しては相互訪問を行い技術協力を行ってきた。一方,高分解能粒子線分光法の開発については,主に日本側から英国マンチェスタ-大学,ダレスベリ-研,レディング大学を訪問し技術交流を行ってきた。本年度は,本研究計画の最終年度にあたり,以下のような具体的課題について共同実験を中心とする研究計画を立案した。計画1.イオン強度は弱いが価数に高い多価イオンが得られる電子ビ-ム型イオン源を用いて,低エネルギ-領域における多価イオンと原子,分子衝突による電荷移行反応断面積の測定および分子標的からの多電子捕獲によって生ずる多価分子イオンのク-ロン爆発の観測を行う。一方,価数は低いが大強度ビ-ムが得られるECRイオン源を用いて,電何移行反応の終状態をイオン分光法によって識別する。これ等の研究には日英両国研究者が相互訪問して実験に参加する。計画2.マンチェスタ-大学で水銀原子と電子の衝突によるAuger電離過程にあらわれるPost CollisionInteraction(PCI)効果を調らべる研究を行い,日本側からも実験に参加する。また,ベルファスト・クィ-ンズ大と協力し,ダレスベリ-研究所の放射光を用いて分子の光励起による解離過程のエネルギ-分布,放出原子の角度分布の測定を行い,日本側からも実験の参加する。一方,電気通信大学レ-ザ-極限技術研究センタ-の低エネルギ-電子散乱分光装置を用い,分子標的の場合のPC工効果の実験に英国側から参加する。 計画1ではベルファスト・クィ-ンズ大学M.Shahを都立大学に招へいし主としてH_2分子を標的にAr^<8+>との電荷移行反応により生じたH<2+/2>のク-ロン爆発を2H^+の同時計測とエネルギ-分析を組み合せにより観測した。以前に報告された結果と異る結果が得られ,現在実験結果を検討中である。一方,都立大学の田沼をベルファスト・クィ-ンズ大学に派遺し,電荷移行反応の終状態識別の実験に参加させた。Fe^<8+>と水素原子およびHe原子の衝突による一電子移行反応の終状態の測定に成功し,実験結果を多準位ランダウ・ツェナ-法による計算と比較を行い,英国において論文投稿準備中である。計画2.では新潟大学檀上篤徳がブリティッシュ・カウンシルの補助によりマンチェスタ-大学G.KingとHg原子と電子の衝突におけるPCI効果の実験を行った。また,河内をベルファスト・クィ-ンズ大およびダレスベリ-研に派遺し光励起分子の解離の研究を行い,現在論文準備中である。一方,電通大にマンチェスタ-大学F.Currelを招へいしN_2O分子と電子衝突によるe→2e過程のPCI効果をConstant residual energy spectra法により観測した。この方法を採用により,従来分子標的では観測が困難であったPCI効果を明瞭に観測することが出来た。また,原子標的ではあらわれる高リドベルグ状態のPCI効果は見い出されず,分子の内部構造がPCI効果に重要な影響があることを示した。すでに1部J.Phys.Bに投稿ずみであり,他に1編投稿準備中である。 最終年度にあたり,これまでの研究実績および成果を検討すると共に今後の共同研究の推進を議論することを目的として,3月23日から3月27日の間UK-Japan Seminar on Experimental AtomicCollision Physicsを開催した。英国から9名,日本側32名米国1名,インド1名が参加し,活発な議論を行うと共にこれまでの共同研究の実積を生かし今後も推進することを確認した。
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