研究分担者 |
小川 賢一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10139644)
SUWANGJAI Pu マヒドール大学, 熱帯医学部, 副教授
SUPAT Suchar マヒドール大学, 熱帯医学部, 副教授
BAHARUDINE B マレイシア国立大学, 熱帯医学部, 講師
CHALIT Komal マヒドール大学, 熱帯医学部, 助手
SOMJAI Leemi マヒドール大学, 熱帯医学部, 助教授
池庄司 敏明 東京大学, 農学部, 教授 (90012054)
VANIDA Kerdp マヒドール大学, 熱帯医学部, 副教授
神田 錬藏 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 名誉教授 (00081662)
OMAR Baharudin Bin Department of Parasitology and Medical Entomology, Faculty of Medicine, Universi
KOMALAMISRA Chalit Department of Helminthology, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol University, T
PUNGPAK Swangjai Department of Clinical Tropical Medicine, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol
LEEMINGSAWAT Somjai Department of Medical Entomology, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol Universi
SUCHARIT Supat Department of Medical Entomology, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol Universi
OGAWA Kenーichi Department of Medical Zoology, St. Marianna University School of Medicine
KERDPIBULE Vanida Department of Medical Entomology, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol Universi
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研究概要 |
1.疾病媒介蚊の物理化学的刺激による防除法の開発に関する研究 ー1.レ-ザ-光線照射によるチカイエカの遺伝的不妊性の導入 麻酔したチカイエカの頭部または生殖器所在部位を5mm/m^2のHeーNeレ-ザ-光線を10秒関照射した。0〜6日令の照射個体を無照射個体と対で個別飼育した。加令とともに照射個体の死亡率は増加し、卵の孵化率は低下した。産卵率には両者の間に差はみられなかった。グル-プ内継続飼育の結果、不妊効果は1〜2令照射親で特に高く、F4世代まで持続した。レ-ザ-光により生殖細胞に対しての直接的な生殖障害と優勢致死効果によるものと考える。この遺伝的不妊化防除が期待されよう。 ー2.吸血誘引物質の選抜試験 雌蚊の誘殺滅に物理的刺激のほか化学的刺激を用いた場合についてしらべた。有機酸、アルコ-ル、アルデヒドその他の58化合物について試験した。試験化合物0.1〜1000mgを塗った黒色小ガラス管を10分間手で握った対象ガラス管を雌蚊10匹入れたケ-ジ内に20cmの間隔で置いた。設置後30分間に誘引飛来した蚊の積算数をビデオで数え比較した。これによるとオクタノ-ル、nブチル酸、1ー乳酸、1ー1ナノ-ル、ー21ナノ-ル、5ーメチルー3ーヘプタノ-ルが著明な誘引性を示した。刺激性をしめすものとして5ーmethy1,3ーheptanol,isovaleric acid 6ーmethylー5ーheptenー201,(R)(ー)2ーnonanol,1ーnonanolであった。尚2ー4種混合製剤について試験中である。 ー3.疑似翅音発信動物臭および炭酸ガス発散による応答蚊成虫捕獲機(HT)および幼虫成長抑制剤(IGR)を用いた媒介蚊防除法の応用実用化テスト 表題の蚊防除法HTおよびIGRによる蚊の防除が実験的に著効を示すことを知った。そこで種野外での応用において如何に用いたら目的の防除が効果的に導かせるかを調査実験してきた。 バンコクを中心とした広大な中央平原水田地帯で大量発生しているコガタイエカを中心とした日本脳炎と(日脳)媒介蚊を、日脳が流行している時期に如何に急速に防除し、流行伝播を阻止するかが急務である。この場合一日も早く危険な媒介蚊の絶対数を減し密度を下げるため、HTを用いて経産蚊率を下げる方法をとった。一方新しく成虫に羽化してくる蚊の発生を阻止し、次世代の媒介者をなくするためIGRを用いる方法をとった。これによりまずHTにより蚊の密度を半滅させた。IGRが効果を示す2週後までそれを続け、IGRによりさらに蚊の密度を下げる事に成功した。しかし周囲発生源からの移入蚊の影響により密度の低下は充分に期待出来ないので、IGRの投入を蚊の密度の上昇に備えて行なう方法をとった。これにより蚊を一定数以下に制限し伝播を阻止出来ることを知った。 2.寄生蠕虫類の系統発生学的研究 ー1.肺吸虫 タイ国および日本産の人体偶棲寄生する3種の間の病原性類似性相違性と蛋白酵素のアイソザイムの遺伝子マ-カ-の頻度を比べ遺伝的関係をしらべたところ、病原性の相似するParagonimus helerotromusとP.muyazakic(M)の遺伝的距離は1.0036に対しP.siamansi's(S)との間の二者の距離の値よりも近いことがわかった。 ー2.肝吸虫 タイ国内肝吸虫Opstorchus viveromiはタイ国東北部に流行するが、多数寄生した場合の形態的変異が同種内に多い点を遺伝的に解析する研究をはじめている。一方韓国のClonorchis sinensisは日本のそれの症例よりも胆管癌の発生頻度が高い点と、タイ国での胆管癌の発生頻度が高い事が疫学的な要因によるものか、肝吸虫の種の相違その他遺伝的な影響、あるいは他の原因とした場合の何によるかを解析する研究をはじめた。三者の生物学的性質である遺伝的関係から手始めにアイソザイムマ-カ-の間の遺伝子変動からはじめるため資料の蒐集系統維持に着手した。研究はまだ途中である。
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