研究課題/領域番号 |
02044159
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
大久保 邦三 核融合科学研究所, 教授 (00023739)
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研究分担者 |
ALBERTI S. ローザンヌ工科大学, プラズマ物理研究所(スイス), 研究員
TRAN M.Q. ローザンヌ工科大学, プラズマ物理研究所(スイス), 主任研究員
SHATZ M.G. ソ連科学アカデミー, 一般物理研究所, 研究員
久保 伸 核融合科学研究所, 助手 (80170025)
佐藤 元泰 核融合科学研究所, 助教授 (60115855)
細川 稔 核融合科学研究所, 助教授 (50115630)
武藤 敬 核融合科学研究所, 助教授 (90115949)
SATO Motoyasu National Institute for Fusion Science
MUTOH Takashi National Institute for Fusion Science
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ジャイロトロン / 準光学 / 大電力ミリ波 / 高性能化 |
研究概要 |
本研究目的はスイス・ロ-ザンヌ工科大学プラズマ物理研究所(CRPP)の100GHz帯準光学ジャイロトロン発振装置と同研究所ジャイロトロングル-プのもつジャイロトロン動作解析手法を用いて準光学ジャイロトロンの高性能化を図ることである。高性能化は出力モ-ドの純度向上を始めとして、発振安定性、発振効率向上、スペント電子ビ-ムのエネルギ-回収等にある。現時点での技術水準を把握する上での準光学ジャイロトロンの現状と運転状況の調査、加えてジャイロトロンの高性能化の観点からの大電力ジャイロトロンからの出力をガウスビ-ムに高い効率で変換する変換器の調査をも目的としている。 準光学ジャイロトロンの現状と運転状況 準光学ジャイロトロンは周波数可変性と電子ビ-ムとマイクロ波出力の分離が容易であるという特徴を生かして主に欧州ではロ-ザンヌプラズマ物理研究所で開発研究がなされている。周波数可変性は核融合実験装置で磁場、プラズマの性質を変えないで、電力の吸収分布を制御できる利点がある。後者はデプレッシブコレクタの設計と使用が容易になる長所を持つ。CRPPでは磁場圧縮比20にて4テスラの磁場になる装置にて、垂直と水平の速度比2を持つ環状電子ビ-ムを入射する装置を用いて運転している。100GHzのマイクロ波出力は金鍍金したミラ-共振器からカプトン窓より取り出されている。電力測定にはミリ波に対して誘電体的性質が良く、沸点が195度と高いオクタノ-ルを用いることが良いことが判った。第2高調波の電力測定には100GHzと200GHz帯にて異なった吸収係数を持つ固体マコ-ルを用いて分離が可能である。周波数測定はヘテロダイン方式を取っており、測定は高調波混合器を駆使して中間周波数を観測している。ヘテロダインの局部発振器を掃引することによりスペクトルが観測されている。 端結合と回折結合を用いた準光学ジャイロトロン用共振器 ジャイロトロンから核融合実験装置に大電力マイクロ波を伝送するが、最適化されている伝送系モ-ドにジャイロトロン出力パタ-ンを適合する必要がある。準光学ジャイロトロンでは現在までファブリ-ペロ-共振器鏡の端結合によっている。円環状のスロット結合、カセグレイン型結合、多数個の縦直線スロットを共振器の出力鏡とした出力パタ-ンの実験結果は対称性を欠き、島構造をして、伝送系への接続の観点からみれば満足する結果でない。 この欠点を克服するため、曲面鏡と回折格子を組みあわせ、回折格子での1次光を共振として用い、0次光を出力として使う。回折格子では1次光へ95%、0次光へ5%反射する特性である。出力光は0次光を使っており、この系の出力ミリ波が楕円鏡で受けられ、集光してHEIIモ-ドを伝播モ-ドとするコルゲ-ト導波管に結合さすことにより電力を取り出す。低電力での試験で出力ミリ波のパタ-ンは良好でガウスビ-ムとしての指標は99%程度となった。 回廊モ-ド出力のガウスビ-ムへの変換器 今までの上記の変換器は回折損失のため80%位しか達成しなかったがソ連での調査の結果、新しい方式の開発により97%近い効率を持つ変換器が作られていることが明かとなった。これは導波管内に壁面に直接にミラ-となる凹凸面を100ミクロン程度の深さで設け、凹凸面をヘリカル状に連続的に付けることによる高効率化の達成をしている。 共振器出力偏光分析 偏光は試験ミリ波を1次元の格子に入射することにより格子面からの反射波の測定により決める手法をとった。格子は10ミクロンの直径の針金を100ミクロン間隔で配置したものである。反射ミリ波は標準のミル波のホ-ンアンテナにて行われている。入射ミリ波の電界が針金に平行な場合に最大量反射する。この方法でミリ波の偏光が実験的に解析できる。この方法により準光学ジャイロトロンの出力についてクロス偏光を含めて測定が可能であり、現在の端結合型の出力では6αbのクロス偏光を示した。
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