研究分担者 |
WOLFF S. ドイツ電子シンクロトロン研究所, HERAマグネットグ
GLUKHIKH V.A エワレモフ電気物理装置科学研究所, 所長
TURCK B. カダラッシュ原子力研究所, 主任研究員
PERIN Romeo 欧州原子核共同研究所, LHCマグネットグル
RENNER N. マックスプランクプラズマ物理研究所, 主任研究員
DESPORTE Hen サックレー原子力研究所, 低温, 超伝導技術部長
LUBELL M.S. オークリッジ国立研究所, 核融合部長
IWASA Y. マサテューセッツ工科大学, 主任研究員
IVANOV D.P. クルチャトフ原子力研究所, トカマク部門長
PAVLICHENKO オー ハリコフ物理研究所, プラズマ核融合部長
REED R.P. アメリカ国立標準局, 破壊強度研究部長
KOMAREK Pete カールスルーエ原子核研究所, 超伝導工業物理研究所
柳 長門 核融合科学研究所, 助手 (70230258)
高畑 一也 核融合科学研究所, 助手 (10216773)
塚本 修巳 (塚本 修己) 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30017975)
竹尾 正勝 九州大学, 工学部, 教授 (70037951)
西村 新 核融合科学研究所, 助教授 (60156099)
佐藤 隆 核融合科学研究所, 助教授 (80225961)
三戸 利行 核融合科学研究所, 助教授 (10166069)
山本 純也 核融合科学研究所, 教授 (00029208)
PERIN R. 原子核共同研究所(欧州), LHCマグネットグル
住吉 文夫 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20136526)
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研究概要 |
本研究は,核融合科学研究所の大型ヘリカル装置の建設に際して,各国の核融合プラズマ実験装置及び高エネルギ-物理実験装置の装置技術について調査研究を行い,設計及び製作に役立てることを目的としたものである. 大型ヘリカル装置には,超伝導ヘリカルコイル,超伝導ポロイダルコイル,大型ヘリウム液化冷凍システム,極低温支持構造物の設計など,その実現のために解決すべき種々の技術的課題が存在する.これらの様々な問題を早期に解決するため,各国の装置を調査研究し,それらの装置の設計,製作に携わった研究者,技術者との討議により有用な情報収拾を計ることとした.調査事項は大別して次の5項目である. 1.超伝導技術を応用した大型核融合炉及び大型加速器に関する調査.2.大型超伝導導体及び超伝導コイル技術に関する調査.3.超流動,超臨界ヘリウム冷却システムに関する調査.4.極低温大型構造物及び極低温用構造材料に関する調査.5.大型ヘリウム液化冷凍システムの長期運転実績調査. 項目1では,超伝導トカマク装置(Tー15),超伝導加速器(HERA)等の大型超伝導応用装置の全体システム構成,運転状況を視察し,大型ヘリカル装置の全体設計を念頭においた意見交換を行った. 項目では,強制冷却型超伝導導体,浸漬冷却型超伝導導体の2種類の超伝導導体を対象として,ソ連,ドイツ,フランス,アメリカ各国の超伝導導体開発状況を調査した.大型ヘリカル装置では,ヘリカルコイルには浸漬冷却型導体を,ポロイダルコイルには強制冷却型導体の使用を予定しており,そのための研究開発を核融合科学研究所において実施している.項目2における調査では,各国での開発研究方針を調査すると共に,核融合科学研究所における開発研究の成果を提示し,突っ込んだ討議を行った.核融合科学研究所が開発してきた20kAを超える大型の超伝導導体の研究成果は,各国の多くの研究者の関心を集めた.調査国では,大型超伝導導体の開発はどちらかと言えば強制冷却型に向かっており,素線開発,製造方法と超伝導特性との相互関係など多くの知見が得られた.また,超伝導コイルの製作技術については,正に手作りでなされていることが明確になった. 各国で大型強制冷却型導体の開発が進められていることに関連して,超流動ヘリウムを用いた冷却システムの開発研究が盛んに行われている.項目3では,強制冷却型導体をより効率的に冷却する方法,設備設計,運転実績を中心に調査を行った.フランスカダラッシュ原子力研究所で建設された超伝導トカマク装置(TOREーSUPRA)では,1.8Kの超流動ヘリウム冷却システムが採用されている.大量の超流動ヘリウムの生成には多くの技術的課題があり,ドイツ電子シンクロトロン研究所においてもこれらの開発研究が進められている.核融合科学研究所の大型ヘリカル装置においても,磁場強度を上昇させるために超流動ヘリウムによる冷却システムを検討しており,各国の研究者との意見交換では要素技術をも含めた装置技術に関する研究成果が主体となった. 項目4に関しては,大型ヘリカル装置における超伝導コイル支持構造物の設計,材料選択,製作方法を念頭におき調査を実施した.かつてオ-クリッジ国立研究所において実施されたLCT装置はそのまま保存されており,構造設計の立場から装置内部に立ち入り視察を行った.当時はまだ窒素を固溶させることによって構造材料の強度を高める技術が確立されていなかったため,全体として肉厚の厚い部材が使用されていたが,コイル配置に適した,熱侵入の少ない構造となっていることが明かとなった.また,国立標準技術研究所において,溶接継手を含む材料強度特性について意見交換を行った. 項目5は,既に稼動している大型ヘリウム液化冷凍システムの長期に渡る運転実績を調査したものである.ほとんどの液化冷凍システムでは稼動後2年以内に重大な初期故障を経験しており,大型ヘリカル装置の液化冷凍システムの設計にあたり,配慮すべき点を整理することが可能となった.
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