研究分担者 |
エスラミ A.A. テヘラン大学, 地震観測部, 部長
アカシェー B. テヘラン大学, 地震研究部, 部長
ジァバヘリアン A. テヘラン大学, 地球物理研究所, 所長
卜部 卓 東京大学, 地震研究所, 助手 (30160336)
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00197279)
阿部 勝征 東京大学, 地震研究所, 教授 (40002175)
溝上 恵 東京大学, 地震研究所, 教授 (00012922)
ESLAMI Ali-Akbar Section Chief, Observation Division, Institute of Geophysics, Tehran University
AKKASHEH Bahram Section Chief, Earthquake Division, Institute of Geophysics, Tehran University
JAVAHERIAN Abdrahim Director, Institute of Geophysics, Tehran University
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研究概要 |
現地時間で1990年6月21日00時30分13.1秒,イラン北西部ギ-ラン州でM7.3の浅発直下地震が発生した.震源地はテヘランから北西に約250km,カスピ海に沿って標高2000〜4000mの山地を切ってカスピ海へ注ぐセフィ-ドル-ド川の谷間の町ルドバ-ル市付近である.我々余震調査隊は同年7月12日に日本を発ち8月2日に帰国した.調査研究の第一の目的は,この地震の余震分布を決定し,地下の震源断層を推定し,そのテクトニクス的意味を考えることにあった。第二に,余震に伴う2次災害の予測の研究や今後のこの地域における地震予知研究のために貴重な資料を得,地震災害軽減に対する新たな知見を得ることを目指した。これらの知識は日本をはじめ他の地域の地震の研究にも参考になる.今回の調査は海外での本格的な余震観測としてはわが国が初めての成果であった。すでに展開されていたテヘラン大学の観測点との調和を考慮しながら,東西100km,南北90kmの地域に全部で7カ所に地震計を設置した.そのうち,50〜60kmスパンの3点観測網については長期観測を行うため地震計と紙テ-プ式STRー100型の記録装置をそのまま残してきた.1991年1月4日までに790回の地震を記録し,30個の震源が決定された.余震の震源は浅く(せいぜい30km程度),分布は西北西-東南東の方向に延びており,ルドバ-ルから南東のジ-ランデ-までの40kmぐらいの間がとくに地震が多い.震源断層はセフィ-ドル-ド川の上流ギゼル・オ-ゼン川が流れる大きな谷の北端を東西に走るマス-レ-断層に平行してその南東方向の延長に伸びている.また,余震回数の減衰が通常より速いことも分かった.改良大森公式のpはだいたい2である.地震観測と並行して,およそ20の町や村を訪れ,被害や地変の観察や発光現象など地震に伴ういろいろな現象や地震動の様子について聞込み調査を実施したが,今回の地震の考察する上で貴重な事実が多数得られた.
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