研究分担者 |
MICHAEL MacC Lawrence Livermore National Laboratory, 所長
武田 喬男 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (60022604)
川口 貞男 国立極地研究所, 教授 (40000153)
住 明正 東京大学, 理学部, 助教授 (10179294)
松野 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (40037172)
鳥羽 良明 東北大学, 理学部, 教授 (50025277)
田中 正之 東北大学, 理学部, 教授 (90004340)
MACCRACKEN Michael. Lawrence Livermore National Laboratory
|
研究概要 |
昭和62年8月に文部省測地学審議会会長は,わが国が,気候変動国際協同研究計画(World Climate Research Programme,略称WCRP)に参加するように関係大臣へ建議した。WCRPは世界気候計画(World Climate Programme)の1つの柱で国際学術連合会議(ISCU)と世界気象機関(WMO)とが立案・推進してきた国際協力事業であり,その目的は次の3つである: (1)1月ないし100年の時間スケ-ルの気候変動のメカニズムの理解を深めて1〜2か月先の長期天気予測の物理的基礎を確立すること, (2)気候の年々変動の予測可能性を明からにすること, (3)大気中の二酸化炭素等の増加など,人間活動が10年以上の時間スケ-ルの気候変動に及ぼす影響を明らかにすること。 この建議に基づき,わが国のWCRPは次の6研究課題について昭和62年度から4年計画で本格的に開始された。 (1)気候変動予測とそのモデル, (2)雲の分布とその気候への影響, (3)大気大循環に及ぼす熱帯海洋の影響, (4)海洋混合層の実験観測, (5)南極域の大気と海氷の年々変動, (6)気候に対する自然的要因及び人為的要因の影響。 これらの研究は,わが国の大学・国立極地研究所・気象庁・海上保安庁・科学技術庁の研究者が協力・実施し,着々と研究成果をおさめて,平成2年度に最終年度を迎えた。わが国のWCRP関係の研究者が構成員となり,当研究代表者山元龍三郎を会長とするWCRP研究協議会(Japanese WCRP Association)を設置して,わが国のWCRP研究を円滑かつ強力に推進してきた。 WCRP研究協議会は,平成2年度科学研究費(国際学術研究)の当研究によって,わが国のWCRP研究の進捗状況の中間報告を平成2年度に英文で印刷刊行することとした。最終報告書は近い将来に別途刊行することとし,この中間報告書は,世界の関係研究機関や研究者に配付して,早い時期にわが国の研究経過の実状を知らせ,WCRPの国際協同研究の推進に役立てるためのものである。特に,1990年10〜11月にジュネ-ブにおいて開催される第2回世界気候会議でこの中間報告を配付することとした。 WCRP研究議会では,当研究代表者と6研究課題の主査などから成る編集委員会を設けて「Progress Report of WCRP in Japan」の編集作業を行い,B5版257頁のものを平成2年9月に刊行した。この英文報告では,課題1(気候変動予測とそのモデル)の9編,課題2(雲の分布とその気候への影響)の9編,課題3(大気大循環に及ぼす熱帯海洋の影響)の5編,課題4(海洋混合層の実験観測)の11編,課題5(南極域の大気と海氷の年々変動)の8編,課題6(気候に対する自然的要因及び人為的要因の影響)の6編,合計48編の研究成果の中間報告を収録している。さらに,わが国のWCRPに参加している研究者合計164名の氏名および連絡先リストを掲載して,国際的な研究連絡の円滑化を図っている。この「Progress Report of WCRP in Japan」は この「Progress Report of WCRP in Japan」は,約400部を第2回世界気候会議の席上で配付すると共に,国内外の関連機関に送付した。これに対して,世界各国からの多くの反響があって,わが国のWCRPの強力な推進が高く評価され,今後の一層の研究に対して大きい期待が寄せられてきた。 文部省測地学審議会から建議された4年計画のわが国のWCRPは平成2年度で終了するが,その最終研究成果のとりまとめにはさらに1〜2年間を要するので,最終報告書の刊行は平成3〜4年度になるものと考えられる。
|