研究分担者 |
フレモンド J.F. スイス高等国際交渉研究所, 教授
ライファ H. ハーバード大学, 経営学大学院, 教授
大成 節夫 一橋大学, 商学部, 教授 (00017477)
土居 弘元 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (30085071)
FREYMOND J. F. Center for Advanced Studies in International Negotiation (Switzerland), Professo
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研究概要 |
訪米の最初の訪門校はカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)である。ここで日本バッシングの急先峰C.ジョンソン教授と会談した。彼の授業にも参加した。日本語の上手なしかも統計デ-タによる極めて冷静な分析家である事を知った。 次に会談した方は クラウス教授である。カ-タ-政権の経済顧問をした高名な教授である。知日派である。彼の「大学の良さは教授・学生・卒業生の良さである」との言葉は印象的であった。 我われの訪門したのはUCSDの「国際関係及び太平洋研究大学院」であったが,唯一の交渉研究のマックミラ-教授と長時間討議した。彼は当大学院でも学生の評価が高く,また学問的業績の極めて高い若手教授である。彼の研究方法はゲ-ムの理論によるものであった。交渉研究の数理的方法の利点と限界が論議された。彼を近いうちに日本に招待したいと思ってわかれた。 次にハ-バ-ド大学を訪ねた。さすがハ-バ-ドである。 J.Z ル-ビン教授と対談した。彼はハ-バ-ド交渉プログラムが出版している交渉の専門学術誌(Negotiation Journal)の偏集長である。この学術誌は欧米の交渉のやり方を知るには非常に好都合の雑誌である。この雑誌を日本の一般読者にも読める形で,即ち日本語版として出版する意義を年来考えてきた。この話し合いするのがル-ビン教授と会う一つの大きな目的であった。本誌は数理的接近による論文がない理由に対し,ル-ビン教授は「一般読者をも念頭において偏集している」との答えだった。さらに,彼は次のように言う。「本誌のこれまで出版された論文を精選し一冊の本として出版する。仮題として「Negotiation,Theory and Prnctice」と言う。我われも手はじめに,この本を飜訳する事を当プログラムの出版担当責任者と話し合いをした。これから日本側の出版者を探がし1991年まには日本版を出版する事になるだろう。 この本が日本人に受け入れられたら,前途の専門誌の出版も日本に受け入れられる事になる。その意味ではこの訳書出版は本専門誌の市場調査の役割を持っている。 次にタフト大学フレッチャ-スク-ルの学長 サラキュ-ス教授を訪ねた。この大学院フレッチャ-スク-ルは外交官養成の学校として高名である。最近,サラキュ-ス教授とル-ビン教授が共同で,当校に交渉の講座を開いた。それについて討義した。内容の高度の講座であることを認識した。サラキュ-ス学長も我われの研究活動に強く関心を持ち,今後一層密なる連絡を取って行こと互いに言て別れた。 次に交渉学研究のハ-バ-ド大学即ち世界の中心にいるH.ライファ教授にお会いした。これまでも数度お会いしている。彼は日本交渉学会の顧問である。藤田が当学会の会長,土居が副会長,大成が理事である。今回も,彼は非常に親切に交渉学研究の情報を提供して下さった。特に次のことは特記しておく。IIASA(International Institute for Applied Systems Analysis)は日本政府も参加している国際機関である。数年来,ここでPIN(Prosess of Internationl Negotiation)プロジェクトがある事は以前ライファ教授に教えられていた。お会いした1週間ほど前に,その成果が共著「International Negotiation」として発表され事を知った。入手して検討した結果,今回の我々の研究構想に近いので,かえって我々は研究の意欲を刺激されている。なお,欧州をまわっている大成は当初からIIASA訪門を計画しておった。今日はIIASAの活動を知る程度で前述の共著を越える情報は得られなかった。このプロジェクトが一段落した結果であろう。 スイスに飛び,高等国際交渉研究所所長J.フレモンド博士にお会いした。彼はスイス政治学会の会長でもある。当研究所の活動状況の説明を開いた。欧州における交渉研究の第一人者であり,彼は我われとの共同研究を熱望していた。1991年度に彼を日本に招待し,共同研究の具体化を進める予定である。 最後に,大西洋上で,ANC国連代表次席のソリ・シメラネ氏に隣席した。人種抗争も交渉で解決すべき立場に立つ我われがネルソン・マンデラ氏に招介するとシメラネ氏は言う。 我われの研究を支える神の御恩寵を感じた。
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