研究分担者 |
M.S. Raven ノッチンガム大学, 工学部, 講師
R.M. Bowley ノッチンガム大学, 理学部, 教授
K. Maxwell ノッチンガム大学, 理学部, 上級講師
P.J. King ノッチンガム大学, 理学部, 上級講師
柴田 長吉郎 大同工業大学, 工学部, 教授 (90206136)
関谷 昌久 大同工業大学, 工学部, 助教授 (20075906)
日置 義明 大同工業大学, 工学部, 助教授 (50156551)
岩間 三郎 大同工業大学, 工学部, 教授 (00075904)
RAVEN M.S. University of Nottingham . Faculty of Engineering . Lecturer
BOWLEY R.M. University of Nottingham . Faculty of Science . Professor
MAXWELL K. University of Nottingham . Faculty of Science . Senior Lecturer
KING P.J. University of Nottingham . Faculty of Science . Senior Lecturer
RAVEN M.S. ノッチンカ゛ム大学, 工学部, 講師
BOWLEY R.M. ノッチンカ゛ム大学, 理学部, 上級講師
MAXWELL K. ノッチンカ゛ム大学, 理学部, 講師
KING P.J. ノッチンカ゛ム大学, 理学部, 上級講師
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研究概要 |
1.薄膜試料 (100)MgO単結晶上にパルスレーザー蒸着法を用いて作製したエピタキシャルYBCO薄膜について,超伝導遷移温度(Tc)以下の種々な温度における電流電圧特性を測定した結果,Kosterlitz-Thouless理論から予言されるスケール則と極めて良い一致の得られることがわかった。これによって,電流の散逸過程を説明する理論構築を一歩前進させることができた。 2.バルク試料(1)YBCO(123)超伝導相と(211)誘電体相からなる複合焼結体を作製し,弱磁場下における電流電圧特性を測定して次のような異常現象を見い出した。(1)相変態温度(Tp)の直上で一定電流のもとで電圧の磁場依存性を測定すると,約4ガウスで極小値を示した。これは超伝導状態における電流の散逸現象は,印加磁場の増大とともに単調に増加するというこの種の物質に見られる特徴とは異なるものである。(2)Tpより約30度低は61.5Kにおいては,上記の極小値に加えて,ゼロ磁場のところで鋭いdipを示す。この様な弱磁場下における電流電圧特性の異常現象は,(211)相の混合割合が少なくなるにつれて低下し,純粋な(123)超伝導相では認められないことも明らかになった。(2)YBCO(123)超伝導相と(211)誘電体相からなる複合焼体の種々な温度における電圧電流特性の測定から,これらが2次の相変態をおこすことがわかった。その電流電圧特性はV=f(I,ξ(B,T,p))で表されるスケール則に従うことを明らかにした。ここでξはB(磁場),T(温度)およびp(誘電体相の希釈濃度)で決まる関数であり,fはI(電流)とξで決まる関数を意味する。Tp以上の温度領域においては,振舞いは更に複雑である。 3.ウィスカー試料 Bi_2O_3,SrCO_3,CaCO_3およびCuOを出発原料に用い,BSCCO(2212)相(Low-Tc相)の超伝導ウィスカー作製をした。ウィスカーの成長速度は,Bi含有量の違いと,溶融ガラス体作製後の熱処理温度の違いに大きく依存することがわかった。電子線回折によって,これらのウィスカーはLow-Tc相であることが確認され,目下その低温における電流電圧特性を調べるべく準備が進められている。 4.粉体試料 噴霧熱分解法を用いてBSCCO超伝導粉体を作製した。従来,原料媒質を硝酸に溶かしてその溶液を霧化する方法がとられているが,本研究では溶媒として過酸化水素30%,硝酸5%を含む水溶液が用いられ,過酸化水素を含まない硝酸5%水溶液の場合との比較が行われた。その結果,過酸化水素を用いた場合に次のような効果が認められた。(1)分解温度780℃,800℃の両実験において,Ca_7Bi_6O_<16>およびCa_7Bi_<10>O_<22>と同定される不純物相の形成が抑制され,生成された粉体は大半がLow-Tc相で,一部半導体相の存在が認められる。(2)広い実験条件の範囲にわたって,半導体相に対する超伝導相の生成比率が高い。また,本方法で作製する微粒子はサブミクロン級のサイズであり,しばしば単結晶の晶癖を持つものが電子顕微鏡観察で認められた。
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