研究課題/領域番号 |
02045045
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
山川 典宏 九州産業大学, 経営学部, 教授 (70104859)
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研究分担者 |
齋藤 實男 九州産業大学, 経営学部, 助教授 (30186936)
福田 馨 九州産業大学, 経営学部, 助教授 (70156777)
伊藤 重行 九州産業大学, 経営学部, 教授 (10140633)
JINOOUS Hoss ニューハンプシャー大学, 助教授
WALTER Buckl ニューハンプシャー大学, 社会・人類学部, 名誉教授
BUCKLEY Walter Dr. & Professor Emeritus of New Hampshire University
HOSSEINI Jinoos Dr. & Associate Professor of New Hampshire University
HOSSEINI Jin ニューハンプシャー大学, 助教授
BUCKLEY Walt ニューハンプシャー大学, 社会・人類学部, 名誉教授
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 経営システム / OA / システム監査 / システム理論 / 意思決定 / システミック・システム / 適応 / 制御 / MIS / WSS / 流通システム / システム比較 / サイバネティックス |
研究概要 |
まず、企業組織で使うOAシステムの有用性の定義を明らかにする作業をシステミック・システムとしての企業組織の時・空間的な機能・営為の考察と並行して行い、高いレベルでのOAシステムの有用性とは、企業組織の意思決定にそのOAシステムが活用できることにあり、低いレベルでのそれは、企業組織における各機能の迅遠性・確実性などの保証にあるとした。 ついで、企業における意思決定の間題を検討、ここでは意思決定を、「過去から現在までの情報を将来の行動への決定に変換するプロセス」(宮川)と捉え、その意思決定されるべき問題の構造を「1.構造が確定されている場合。2.半構造的な場合。3.非構造的な場合。」の3つに分類し、その各場合におけるOAシステムの役割を明らかにした。その結果、高いレベルでのOAシステムの活用には、不確定な環境要因および意思決定の構造の違いによって限界があるため、経営システムでの情報活動における機械と人間の役割を明らかにする必要が生じ、これを明確化した。 また、意思決定に必要な情報の研究より、情報における「Pー情報(Physical Information)」と「Sー情報(Semantic Information)」およびシステムにおける「人工システム(Systematic System)」と「自然システム(Systemic System)」の概要を明らかにした。 さらに、企業におけるOAシステムの利用調査を行い、導入されてはいるが利用されていないOAシステムや、導入された目的以外に利用されているOAシステムが存在することを明らかにし、これについての対応策としてシステム監査が有効であることを示した。企業組織機能の迅速性・確実性の追求におけるOAシステムについては、貿易作業のOA化を行ったNACCS(Nippon Air Cargoes Clearance System)をとりあげ、通関業務のOA化がその機能性向上に果たした役割をまとめ、低レベルのOA化の有用性を示した。また、全世界的なOAシステムであるWSS(World Shopping System)より、WSSが個人の輸入に果たす役割を国際VANを使った情報流通による物・商・金融流通の統合と意義をについて論じた。 最後に、企業組織で利用するOAシステムの具体的役割をメンバ-全員で検討した結果、ル-ティン化した低レベルの意思決定ではその意思決定に必要な情報のシステム化が容易なためOAシステムの活用が有用であるが、非構造的な問題を解決する高いレベルでの意思決定では、その意思決定に必要な情報のシステム化が困難なためOAシステムの利用には限界があることを確認した。 具体的には、まず伊藤とバックレ-がのシステミック・システム理論の研究より、その理論でOAシステムの限界について考察し、福田が企業組織メンバ-によってOAシステムに要求される情報の量と質が異なることを論理的に明確化しながら、OAシステムの限界と誤用防止策を明らかにした。さらに、ホッセイニは、合衆国におけるOAシステムは企業事務のコンピュ-タ化に限定されており、日本の定義のように包括的でないことを明らかにしながら、上位の意思決定に使われるコンピュ-タの意義と限界について福田と同じアプロ-チを行った。ついで、斎藤が企業の意思決定におけるOAシステムの有用化、すなわちP情報活用とそれによるS情報の進化について、そのバック・グラウンドを分析しながら、留意点を明らかにした。最後に山川が、第1〜第4の論点を総括するかたちで北川氏の「情報論理の3つの座標系」(「1.構造座標系,2.機能座標系,3.設営座標系」)を利用して、設営座標系の3つのカテゴリ-(「制御空間、営存空間、創造空間」)の内、制御空間、営存空間でしかOAシステムは有効ではなく、高度な企業組織の自己組織化のための意思決定を内包する創造空間では前2者の空間での活用以上のOAシステムの活用はありえないということを明らかにした。
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