研究分担者 |
小林 享 (小林 亨) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30221972)
田中 実 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (80202175)
山下 正兼 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所(平成5年4月より北海道大学・理学部・助教, 助手 (30202378)
吉国 通庸 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50210662)
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配分額 *注記 |
175,000千円 (直接経費: 175,000千円)
1993年度: 33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
1992年度: 33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
1991年度: 50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
1990年度: 59,000千円 (直接経費: 59,000千円)
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研究概要 |
生殖細胞形成の制御機構について,魚類を主な実験材料として分子・細胞レベルで解析し,以下のような成果を得ることができた。 1)我々が先に同定した魚類の卵成熟誘起ホルモン17α,20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オン(17α,20β-DP)の生成に関わる5種のステロイド代謝酵素遺伝子をクローニングし,その発現を解析した。17α,20β-DPの生成は,顆粒膜細胞に生殖腺刺激ホルモンが作用することにより20β-HSD遺伝子の転写活性が高まることにより起こる。2)17α,20β-DP受容体が卵細胞膜に存在することを示し,その受容体が生殖腺刺激ホルモンの作用により卵成熟直前の卵表面に出現することをみつけた。また,17α,20β-DPが卵表面に作用する結果,卵細胞質に新しく形成される卵成熟促進因子,MPF)をコイ成熟卵から精製し、それがcdc2キナーゼとサイクリンBからなることを明らかとするとともに遺伝子構造を決定した。さらに,MPFの活性化は,17α,20β-DPの刺激により合成されたサイクリンBがすでに存在するcdc2キナーゼと複合体を形成した後,P40^<MO15>によりcdc2キナーゼの161番目のスレオニンがリン酸化されることにより起こることがはじめて明らかになった。さらに,受精後に急激なMPFの不活性化をもたらすサイクリンBの分解は,活性型(26S)プロテアソームがサイクリンBのN末端(57番目のリジン)を切断することを初期反応として起こることを発見した。3)精子形成誘起ホルモンを同定し,これを用いて試験管内の精子形成に世界に先がけ成功した。さらにこのホルモンにより精巣のセルトリ細胞で発現するアクチビンBが,精巣に作用して精原細胞を増殖されることが精子形成の重要初期過程であることが判明した。また,このことはヒトのアクチビンBによりin vitro条件下でウナギのA型精原細胞が細胞分裂を開始し,B型精原細胞に分化することにより確認された。
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