研究課題/領域番号 |
02151009
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 嘉幸 東北大学, 薬学部, 教授 (90072412)
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研究分担者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
西村 孝司 東海大学, 医学部, 助教授 (30143001)
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
湊 長博 自治医科大学, 助教授 (40137716)
栗林 景容 京都大学, 医学部免疫研, 助手 (10064578)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
1990年度: 20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
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キーワード | キラ-細胞 / 標的細胞破壊 / マクロファ-ジ / NK細胞 / LAK細胞 / キラ-因子 / 接着分子 / バクスペンフィック抗体 |
研究概要 |
宿主キラ-細胞による標的がん細胞破壊機構の解析が行われ、以下の点が明かにされた。 1.マクロファ-ジによるキラ-因子としてはTNFの他にNO分子が見いだされ、活性酸素による標的細胞障害機構が示唆された。2.キラ-T細胞クロ-ンLAK細胞クロ-ンのT細胞受容体についてそのイデオタイプを支配する遺伝子構造が明かにされた。3.パ-フォリンの関与(1)バイスペシフィック抗体を用いてのADCCで、T細胞ではIL2刺激によるキラ-活性増強とのパ-フォリンの発現度の増大が相関すが、NK細胞では活性増強に伴ったパ-フォリン増大はない。(2)In vivo誘導したCTLに強いパ-フォリン発現がみられる。(3)可溶性タンパク抗原を認識するCD4^+CD8^ーのキラ-T細胞クロ-ンはパ-フォリン及びそのmRNAは発現していない。4.マウス系で、細胞接着分子の一つであるICAMー1を認識し、ICAMー1機能を抑制しうる単クロ-ン抗体が作成された。5.キラ-細胞は標的細胞への接着により細胞内のカルシュウム濃度が早期に上昇することを単細胞レベルで観察した。 本年度の研究によりキラ-T細胞やLAK細胞の表現するT細胞受容体構造について支配遺伝子解析が進み、一連のV遺伝子レパ-トリが明かにされた。このことはこれらキラ-細胞の抗原認識の多様性を理解する上で重要な知見である。また、マクロファ-ジ、T細胞、NK細胞、LAK細胞などの一連のキラ-細胞の標的細胞破壊に関して、それぞれのキラ-因子が解明された。特にマクロファ-ジにおけるNO分子の関与やキラ-T細胞及びLAK細胞のキラ-活性と細胞内パ-フォリン発現との関係が抗パ-フォリン抗体を用いて明かにされたことは注目される。さらにLAK細胞などにおいての主たる接着因子、LFAー1に対応する標的細胞表面分子であるICAMー1に関して、マウス系でその機能を抑制する単クロ-ン抗体が始めて作成され、実験動物での同分子の役割の解明が可能になった。
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