研究課題/領域番号 |
02151011
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三輪 正直 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (20012750)
|
研究分担者 |
下山 誠 島根医科大学, 生化学, 教授 (30084859)
堅田 利明 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10088859)
田沼 靖一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (10142449)
上田 国寛 京都大学, 医学部・臨床検査医学, 助教授 (00027070)
江角 浩安 国立がんセンター研究所, 生化学部, 部長 (70160364)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
1990年度: 18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
|
キーワード | ポリADPーリボシル化反応 / モノADPーリボシル化反応 / DNA結合タンパク質 / DNA修復 / 遺伝子増幅 / シグナル伝達機構 |
研究概要 |
ポリADPーリボシル化酵素のZnーフィンガ-構造がDNA切断に際しての酵素活性発現に重要であることが明らかになった。またこの酵素遺伝子とDNA修復に関係すると言われるDNAポリメラ-ゼβ遺伝子の発現調節領域の構造及びマウス諸臓器のmRNA量分布が非常に似ていた。ポリADPーリボシル化酵素がDNAポリメラ-ゼの活性に対して種々の条件下で阻害又は促進作用を示すことも新たに見出した。 更にDNA損傷性の発がん物質(DEN,4NQO,MNU)をラットに投与し、DNA損傷と関係してポリADPーリボ-スが生体内で変動することを免疫組織学的に示した。 一方、内在性も1ADPーリボシル化酵素の研究も活発に進んだ。脊椎動物のアルギニン特異性ADPーリボシル化酵素は、ニワトリの多核白血球に極めて多く存在すること、またボツリヌス菌C3毒素に類似した内在性酵素活性もウシ脳細胞質画分から見出した。 ポリADPーリボシル化酵素のcDNAや遺伝子の単離及びその発現調節の研究が外国の研究室と競合しながらも、有利に研究が展開できている現状と言える。 DNA修復に関与すると考えられているDNAポリメラ-ゼβとその遺伝子の発現調節領域の構造や動物の臓器特異的な発現パタ-ンが非常に似ていることは、興味深いと考えられる。 また、ポリADPーリボシル化酵素の一連の阻害剤は、外来性増幅遺伝子を除去する作用をすでに発表したが更に、インテグレ-トしているウイルス遺伝子について検討中である。既に百日咳やボツリヌス毒素のADPーリボシル化酵素活性に類似の内在性ADPーリボシル化酵素は、我々のグル-プが見出したものである。細胞膜のGTP結合蛋白質のADPーリボシル化は「シグナル伝達」機構に介在し細胞の広範な機能の調節に関与するであろう。
|