研究課題/領域番号 |
02151013
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島崎 淳 千葉大学, 医学部, 教授 (10008229)
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研究分担者 |
吉田 修 京都大学, 医学部, 教授 (70025584)
大野 良之 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10160590)
和田 文雄 香川医科大学, 医学部, 教授 (20028385)
矢谷 隆一 三重大学, 医学部, 教授 (80024636)
松本 圭史 大阪大学, 医学部, 教授 (70028299)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1990年度: 14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
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キーワード | 前立腺がん / 潜在がん / 偶発がん / 潜在がん顕性化 / がんの進行 / ras p21 / 成長因子 / シオノギがん115 |
研究概要 |
前立腺潜在癌は高齢男子の約20%に認められるが、顕性化するものはその1%であり、欧米に比しきわめて低率である。この理由を解明するため、多方面より検討された。 1.潜在癌の臨床的進展 前立腺癌以外の剖検などで見出された潜在癌は徴小、高分化のものが多く、臨床癌として摘除された前立腺癌は比較的大きく分化度が低下している。これより臨床癌は潜在癌の一部が以前に変化をおこした結果であり、多段階発生をうかがわせる。 生前に診断出来る潜在癌に相当する徴小病変として偶発癌がある。これは多くが内側域発生であるため、外側域にある剖検潜在癌と比較した。偶発癌は後者より徴小、高分化傾向にあり、これからの臨床癌進展が少ないと推測され、臨床的観察をうらづけた。 2.潜在癌の性状 偶発癌はras p21の発現が少なく、臨床癌では増加する。核内好銀部位から偶発癌は臨床癌より増殖能が低いことをうかがわせた。外側域の潜在癌はこの中間であった。 3、潜在癌の疫学 症例対照研究の結果、潜在癌の顕性化に関与する因子として、低学歴、社会経済的に低地位、性的活動の発現遅延とその後の活発化、があげられた。 4、アンドロゲン誘導性成長因子 マウス・アンドロゲン依存癌であるシオノギ癌115を用いて、アンドロゲンに誘導されるFGF様ペプタイドにより自己制御されること、非依存癌に進行する例としてがん遺伝子発現増強によって成長因子の変化がおこるためであることが見出された。
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