研究課題/領域番号 |
02151036
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 武貞 大阪大学, 医学部, 教授 (60028496)
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研究分担者 |
加藤 洋 癌研究所, 病理部, 主任研究員 (20010473)
喜納 勇 浜松医科大学, 教授 (60010211)
藤田 晢也 京都府立医科大学, 教授 (00079716)
佐藤 栄一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60004579)
広橋 説雄 国立がんセンター, 病理部, 部長 (70129625)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1990年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
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キーワード | 大腸がん / 大腸腺腫 / 原因遺伝子 / がん抑制遺伝子 / インテグリン抗体 / DNA ploidy / flat adenoma |
研究概要 |
1)分子生物学的研究 5q染色体上にある大腸腺腫の原因遺伝子を明らかにすべく、その近傍より40個のコスミドクロ-ンを単離し、そのマッピングをおこなった。その一つ(TBA遺伝子と命名)は大腸がんで高頻度に欠失が認められ、大腸がんの発生に深く関わっている重要な遺伝子である可能性が強く示唆された。また、17pに存在するがん抑制遺伝子の産物であるP53の発現を免疫組織学的に検討し、大腸がん組織84例のうち51例(60.7%)において核に局在するP53を検出した。いづれの症例においても隣接する正常粘膜にP53は全く検出されず、この遺伝子の機能異常が大腸がんの発生に深く関与しているものと推定された。 細胞外マトリックス分子と接着する細胞側受容体であるインテグリンのα2、α6、β1、β4各サブユニットに対するモノクロ-ナル抗体を作製し、大腸がんにおけるインテグリン発現の変化を調べた。α2β1インテグリンは大腸がんの94%(32/34例)において過剰発現し、その抗体は大腸がん細胞のコラ-ゲンへの接着を阻止した。またα6β4インテグリンの過剰発現は33%(12/36例)に認められ、その受容体はラミニンである可能性が示唆された。 2)臨床病理学的研究 DNA ploidyの側面から大腸がんの進展を考えるため、粘膜病変の残っているm〜pmがん24例についてploidy構成のマッピングをおこなった。また、最近注目されているflat adenoma 39病変についてDNA測定をし、組織異型度との関連を調べた。軽度異型では全例がdiploid、高度異型では全例がaneuploidであったが、中等度異型では病巣の大きさによってaneuploidyの頻度が異なり、5mm以下では14.3%と低く、5mm以上では80%と高率であった。
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