研究課題/領域番号 |
02151060
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 政樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (60012762)
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研究分担者 |
須田 立雄 昭和大学, 歯科部, 教授 (90014034)
梅沢 一夫 慶応大学, 理工学部, 教授 (70114402)
吉田 弥太郎 京都大学, 医学部, 講師 (80064525)
田原 栄一 広島大学, 医学部, 教授 (00033986)
穂積 本男 埼玉がんセンター研究所, 所長 (50113478)
高久 史麿 国立医療センター病院, 院長 (40048955)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
1990年度: 16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
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キーワード | ピリミジンヌクレオシド化合物 / 蛋白リン酸化酵素阻害剤 / PI代謝回転阻害剤 / ミオシンL鎖キナ-ゼ阻害剤 / MDS由来細胞株 / AraC感受性 / アポプト-シス / ラット骨髄前脂肪細胞株RECAー16 / 分化誘導剤 / 脂質性合成シアロ糖化合物 / 特異的チロシンキナ-ゼ阻害物質 / 抗癌剤排出性P糖蛋白 / 活性型ビタミンD3 / トランスフォ-ミング増殖因子(TGF)β / 造血因子MーCSF / インスリン受容体βサブユニット自己リン酸化反応 |
研究概要 |
(1)新規合成した18種のピリミジンヌクレオシド化合物の中で3ーヘンジルー5ーメチルー3ー(βーDーリボフラノシル)ピリド[2,3ーd]ピリミジンー2,4(1H,3H)ージオン(TIー79)がヒト白血病HLー60細胞に対して最も強い分化誘導活性を示した。この活性は高濃度アデノシンで抑制され、レチノイン酸(RA)、ビタミンD3、スタウロスポリン等の分化誘導剤併用で著しく促進された。各種蛋白リン酸化酵素阻害剤(ゲニステイン、メチル2,5ジヒドロシンナメイト)及びPI代謝回転阻害剤(プシ・テクトリゲニン)、ミオシンL鎖キナ-ゼ阻害剤(MLー9,MLー7)はいずれもHLー60細胞を顆粒球様細胞に分化させた。従って、蛋白リン酸化酵素やPI代謝回転抑制が白血病細胞分化誘導機序に関与していることが判明した。熱帯産コウチモクタマツナギから単離された分子量314のチロシンキナ-ゼ阻害物質は、A431細胞のEGFで誘導される細胞内チロシン・リン酸化及び形態変化を阻害した。(2)ヒト白血病細胞(K562,HEL,KU812)はヘミン処理で赤芽球様細胞に分化するとAraCに対する感受性が著増した。K562細胞ではゲニステインで赤芽球様細胞に分化する際にもAraC感受性が増大した。AraC感受性増強機構は、1)AraCの細胞内取込み増加、2)細胞内AraCデアミナ-ゼ活性低下、3)AraCキナ-ゼ活性増加によるAraーCTP形成の著増(約8倍)でDNA合成が強く阻害されるためである。(3)MDS由来P39細胞では、RA等の分化誘導剤添加時に、分化と共にアポプト-シスが高率に誘導される。更に、白血病細胞株HLー60、U937、KG1、K562との感受性比較で、アクチノマイシンDやA23187によるP39細胞のアポプト-シス高感受性が示唆された。単球系分化誘導剤オキサ型ビタミンD3の前処理でアポプト-シスが3ー5倍増強する。(4)ラット骨髄前脂肪細胞株RECAー16上でラット白血病細胞WRTー7を重層培養すると90%以上がマクロファ-ジに分化し、これはRECAー16細胞が産生するMーCSF及びILー6によることが抗体添加実験で判明した。更に同系ラットにWRTー7細胞を腹腔内接種、RhMーCSFとRhーILー6を投与したところ、各々単独では有意の延命効果は得られなかったが、両者を併用投与することにより著明な相乗的延命作用が見られた。
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