研究課題/領域番号 |
02151072
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
舘野 之男 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 部長 (90163493)
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研究分担者 |
横山 陽 京都大学, 薬学部, 教授 (90025685)
小西 淳二 京都大学, 医学部, 教授 (70026970)
窪田 和雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 講師 (40161674)
上村 和夫 秋田県立脳血管研究センター, 所長
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター核薬学核化学, 教授 (80134063)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
1990年度: 17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
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キーワード | ポジトロンCT / 標識化合物 / がんの質的診断 / フルオロデオキシグルコ-ス / メチオニン / トレミフェン |
研究概要 |
がんの「質的」診断法の開発に関し、今年度の研究実績の主なものは腫瘍の悪性度と進展範囲の評価、および腫瘍に対する放射線の治療効果の評価の2つである。 腫瘍に対する放射線の治療効果を評価するためのPET用トレ-サとして有望そうな化合物をラット移植腫瘍と多重トレ-サ法とを用いて種々検討したところ、チミジン,メチオニン,フルオロデオキシグルコ-スの順に反応が出現してくることが観察された。また照射線量と反応の大きさとの関係はチミジン,メチオニンで明瞭であった。これは腫瘍における放射線障害が、DNA代謝,アミノ酸代謝,糖代謝の順に出ることを反映していると考えられ、これら3つの化合物にCー11なりFー18なりを標識した診断薬剤を用いれば、放射線の治療効果の判定に有力な手掛りが得られるものと判断された。 腫瘍の悪性度とその進展範囲の評価に関しては、神経膠腫を対象にして行ったFー18フルオロデオキシグルコ-ス(FDG)とCー11メチオニン(Met)による検討が最も進展した。それによると、FDGは腫瘍組織の悪性度に相関して高集積を示したのに対し、Metは腫瘍組織の悪性度にかかわらず高集積を示し腫瘍の進展範囲を正確に反映していた。同様の傾向は悪性リンパ腫を対象とした研究、肺癌を対象とした研究、あるいは乳癌を対象とした研究についても認められている。しかし以上の研究はFDGやMetの臨床的有用性の確認がとりあえず出来たという段階であるので、次は各種の癌についてもっと多数の症例に基づいてきめ細かな評価が必要な段階に来ている。 以上とは全く別な新しいトレ-サ-の開発に関しては、Brー76,Brー78を標識する研究,乳癌治療率として用いられているToremifeneにCー11標識をして診断薬としようとする研究も進んでいる。
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