研究課題/領域番号 |
02151077
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
藤木 博太 国立がんセンター研究所, がん予防研究部, 部長 (60124426)
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研究分担者 |
深見 泰夫 神戸大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (00156746)
橋本 祐一 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (90164798)
野瀬 清 東京大学, 医科学研究所・癌細胞, 助教授 (70012747)
大内 和雄 東北大学, 薬学部・病態生化学, 教授 (20006357)
石川 隆俊 東京大学, 医学部・病理, 教授 (30085633)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1990年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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キーワード | オカダ酸 / オカダ酸クラス発がんプロモ-タ- / ミクロチスチン / 蛋白質脱リン酸化酵素2A / プロスタグランジンE_2 / protein kinase C / CNーTPBP |
研究概要 |
新しい発がんプロモ-タ-、オカダ酸及びオカダ酸クラスの化合物を用いて、プロモ-ションの機構を解明している。オカダ酸クラスの発がんプロモ-タ-は、いづれも、そのレセプタ-である蛋白質脱リン酸化酵素1と2Aに結合し、その活性を抑制した。今回、光親和性オカダ酸誘導体, ^3Hーmethyl7ー0ー(4ーazidobenzoyl)okadaateを用い、精製した蛋白質脱リン酸化酵素2Aと反応させた。この精製した酵素は65kと42kの調節サブユニットと37kの触媒サブユニットからできている。反応液をSDSーPAGEで調べると、 ^3Hーアダクトは触媒サブユニットにのみ認められた。この結果から、オカダ酸は触媒サブユニットに結合し、その活性を抑制することが明らかになった。オカダ酸はNーmethylーN'ーnitroーNーnitroーsoguanidineでイニシエ-トしたラット腺胃に対し、微量で発がんプロモ-ション活性を示した。ミクロチスチンはdiethylnitrosamineでイニシエ-トしたラット肝に対し、微量で発がんプロモ-ション活性を示した。従って、脱リン酸化酵素の阻害を介するオカダ酸クラスの発がんプロモ-ション機構は、いろいろな臓器に共通することが証明された。NIHー3T3細胞と活性化したcーHー<ras>___ーをトランスフェクトしたF25ー15ー5細胞について、発がんプロモ-タ-によるプロスタグランジンE_2産生を比較検討すると,F25ー15ー5細胞の方が強く亢進していた。酵母に含まれる新しいタイプのprotein kinase Cを分離した。この酵素はジアシルグリセロ-ルの代わりに、ホルボ-ルエステルを加えても、活性化が認められなかった。TPAータイププロモ-タ-に特異的に結合する蛋白質(CNーTPBP)は細胞質でheat shock蛋白質90kDと複合体を形成する70kDの蛋白質であり、TPA処理により速やかに核へ移行することが見いだされた。3種のレチノイドレセプタ-は必ずしもmRNAレベルの分布と一致せず、それぞれ固有の役割を担うことが示唆された。
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