研究課題/領域番号 |
02152003
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 助教授 (50162269)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1990年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 転写因子 / cーJun関連遺伝子 / cーFos関連遺伝子 / グルココルチコイド / GSTーP |
研究概要 |
cJun蛋白はcFos蛋白と複合体を形成し、ヘテロ二量体で転写制御因子として働くが、Jun、Fosそれぞれにいくつかの関連遺伝子が存在する。これらの関連遺伝子の標的遺伝子や、どの様なヘテロ二量体を作り、どのような機能を持っているのかについては不明な点が多い。さらに、cJun/cFos蛋白はグルココルチコイド受容体(GR)やJunBなどと相互作用し転写活性化機能が抑制されることが報告されているが、これらの関連遺伝子産物もこのような相互作用をするのかどうか不明である。そこで、Junおよび、Fosの関連遺伝子を全て揃え、いろいろな組合せの転写因子の機能や他の因子との相互作用について解析した。特に、腫瘍プロモ-タ-、TPAの反応配列(TRE)と、我々が従来より研究しているグルタチオントランスフェラ-ゼP(GSTーP)遺伝子のエンハンサ-に存在するTRE様配列、GPEIについて検討して以下のような結果が得られた。 1)Jun関連遺伝子についてはDr.Nathansから供与を受けたが、Fos関連遺伝子、FosB、Fra1、Fra2はラットmRNAよりPCR法を用いてクロ-ン化し、それらの構造を決定した。それぞれ報告されているマウスやヒトの構造と約95%以上の相同性が認められた。 2)JunおよびFos関連遺伝子産物をin vitroで合成しゲルシフト分析した結果、ほとんど全ての組合せでヘテロ二量体を形成し、TRE配列、GPEI配列に結合し得ることがわかった。 3)転写活性化機能については予備的な結果であるが、cJun/cFosが最も強い活性を示し、cJun/Fra1でも活性が認められた。他の組合せではTREを持つ遺伝子に対して強い活性は認められない。 4)GSTーP遺伝子もグルココルチコイドによって転写抑制を受け、cJun/cFosなどとGRの相互作用がこの遺伝子の転写調節に関与している可能性が示唆された。
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