研究概要 |
ラットアルドラ-ゼB遺伝子上には、その肝特異的転写に必須な3つの制御領域ーA,BおよびC領域ーが存在し、これらの領域にそれぞれAlFーA,AlB,AlFーCと名ずけた転写制御因子が結合する。in vitro転写実験により次のことがわかった。アルドラ-ゼBの効率良い転写には上記3領域の全てに対応する因子が結合することが必須であるが、B領域にはAIFーCも結合可能であり、この場合でも転写効率は3種の因子が結合した場合と同程度である。また上記3領域のうち因子が結合していない領域が1ケ所でもあると転写効率が低下することも分かった。 これらの因子をDNAーセファロ-スを用いたアフイニテイークロマトで精製した結果、AlFーAおよびAlFーCはそれぞれすでに報告されているHNFlおよびC/EBP様の因子であることがわかった。しかしAIFーBは分子量(約7万)、DNA結合の特異性、各種細胞および組織における分布の比較から、これまでに報告されていない新しいタイプのCCAATー結合性転写因子であることがわかった。 AlFーAおよびAlFーCは肝特異的に発現している種々の遺伝子にも作用するが、AlFーBも同様のことが示唆されている。したがって、これら3種の因子は肝細胞の分化形質発現にきわめて重要な因子である。 現在こらの因子の構造解析を予定しているところである。
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